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「大田区の坂道」巡りが結構楽しかったので、第2弾ということで「目黒区の坂道」巡りを計画してみた。
目黒区のHPや、「坂道学会」のHPから主要な坂道の場所をGPSに転送してスタートだ。

目黒区の坂道は、北部と南部に集中しているため、比較的走りやすい。
一日ですべての坂を巡ることも可能だが、写真を撮ったりしているとかなり時間もかかる。

北部と南部を二日に分けて巡ると、のんびりゆっくり坂道巡りを楽しめる。
以下の地図は、実際に走行したコースではない。このように辿れば最短距離で巡れそうな推奨ルートだ。


北部の坂(25坂)


松見坂



相ノ坂

上村坂

目切坂

新道坂

別所坂

新茶屋坂

茶屋坂

富士見坂

権之助

行人坂

石古坂

男坂・女

三折坂

金毘羅坂

十七が坂

馬喰坂

なべころ

けこ

小川坂

半兵衛坂

稲荷坂

謡坂


南部の坂(14坂)


どぜむ


柿の木坂

天神

化坂

氷川坂

しどめ坂

太鼓

谷畑坂

睦坂

蜀江坂

兵庫

寺郷の坂

鉄飛坂

鶯坂

参考資料


坂道巡りに関して、かなり参考になる書籍とホームページを見つけた。

「坂学会」のHPは素晴らしく、完璧なデータで坂道の詳細が網羅されている。

「大江戸坂道探訪」

「タモリのTOKYO坂道美学入門」

坂学会 「東京の坂」リスト 【23区】内
http://www.sakagakkai.org/profile/list-Tokyo23ku.html


それでは、坂道巡りスタートです(全39坂)


松見坂
 
まつみざか
1/39坂 山の手通りと淡島通りの交わる辺りが「松見坂」。
激しい交通量の中、立派な標識が歩道の片隅に設置されている。

大坂
 
おおさか
2/39坂 5万図をいつも買いに行く、日本地図センターの裏手から続く細くカーブした坂が「大坂」。
勾配はきつく、自転車で登っていくには結構大変な坂だ。
途中に「大坂緑地」とかかれた建物があるが、これはいったい何であろうか?

相ノ坂
 
あいのさか
3/39坂 タモリさんの本でも絶賛しているのがこの「相ノ坂」。
かなり狭く、そしてカーブもきついので車の通行も大変だ。
かなりの急坂で、路面はスリップ防止の加工がされている。ここを自転車で登ろうという気にはならないだろう。

上村坂
 
かみむらざか
4/39坂 「上村坂」は道幅が広く、見通しのいい坂道だ。
そのため下ってくる車はかなりスピードが出ているので要注意だ。
電柱の横に真新しい標識が設置されている。これだけ新しいと気持ちがいい。

目切
 
めきりざか
5/39坂 「目切坂」も書籍では人気の坂だ。
代官山の賑やかな通りから入った小道が「目切坂」だ。
若い方たちがお店の前に並んで行列を作っている。何の行列なのだろう? さっぱりわからない。
坂の上には「関東の富士見100景」の標識が設置されている。ここから富士山が見えるのだろうか?
坂の下に標識が設置されているが、文字も薄く全く読めない。そろそろ新しくしていただきたい。
雰囲気のあるカーブが気持ちいいが、最後のカラー舗装はちょっといただけない。

新道坂
 
しんどうざか
6/39坂 駒沢通りを代官山へ向かう登りが「新道坂」だ。
交通量激しい道路の歩道に標識が設置されてあるが、落書きで文字も読めず雰囲気が台無しだ。
緩く長い坂で、自転車で登るとなると最後が辛い。

別所坂
 
べっしょざか
7/39坂 住宅街の急坂が「別所坂」だ。
細くくねくねと曲がったカーブの先に標識が設置されている。
登り始めはまだ乗車できても、その先は一気に急坂に変わる。

新茶屋坂  


しんちゃやざか
8/39坂 新茶屋坂通りの直線の上り坂が「新茶屋坂」。
手応えのある直線の坂が長い距離続く。下から登るとかなり登りごたえがある坂だ。
坂の途中に「三田用水跡と茶屋坂隧道跡」の記念碑が設置されている。
バス停の名称は「茶屋坂」となっている。

茶屋坂
 
ちゃやざか
9/39坂 住宅街を20%の勾配で急降下するのが「茶屋坂」。
直角に曲がる角に「茶屋坂と爺々が茶屋」の解説がある。この坂の近くに一軒茶屋があったらしい。

富士見坂
 
ふじみざか
10/39坂 山の手線方面へ向かって一気に登りつめるのが「富士見坂」。
いきなり15%の標識でダウン。押してもなかなか辛い勾配だ。
登りきるとかなりの標高差を感じるほどだ。残念ながら坂の標識は見当たらない。

権之助坂
 
ごんのすけざか
11/39坂 ”雨の権之助坂”(ビートきよし) でも有名なのが、目黒通りを目黒駅へ登る「権之助坂」。
常に激しい交通量が絶えない道路脇には、多くの店が軒を並べる。
緩く長い坂は結構脚に来る。歩いても、自転車でも登りごたえがある坂だ。

行人坂
 
ぎょうにんざか
12/39坂 目黒雅叙園から目黒駅へ登る急坂が「行人坂」。
道幅も狭く勾配もきついため、車で登るのさえ苦労するほどだ。
徒歩で登るのも気合を入れないと登り切れない。ちょっとした軽登山に近い。
こんな急坂だが、実に多くの人が行き交っている。目黒駅への最短ルートなのだろう。

石古坂
 
いしこざか
13/39坂 林試の森から、目黒不動へ向かう坂が「石古坂」。
距離もそれほどなく勾配もたいしたことはない。自転車なら立ちこぎで一気に登り切れる坂だ。

女坂
 
おんなざか
14/39坂 目黒不動尊の本堂に登る坂が「女坂」。
「男坂」の右側にある階段を登っていく。「男坂」より緩やかなので「女坂」と呼ばれる。
自転車は持ち込めないので、徒歩で階段を登っていく。

男坂
 
おとこざか
15/39坂 目黒不動尊の本堂に登る坂が「男坂」。「女坂」の左側にある階段を登っていく。
「女坂」より急なので「男坂」と呼ばれる。(急傾斜の石段47段)

三折坂
 
みおりざか
16/39坂 目黒不動尊から目黒通り方面へ向かう坂が「三折坂」。
登り口からかなり急で、道幅も狭く、さらにくねくねと曲がった坂だ。
登るにも下るにもかなり神経を使う坂だ。車も最徐行で降りてくる。できれば通りたくない坂だ。

金毘羅坂
 
こんぴらざか
17/39坂 目黒通りの大鳥神社脇の坂が「金毘羅坂」。
歩道脇に立派な標識が隠れている。よく探さないと見つからない。
緩やかな坂が長く続く。自転車でもゆっくり登れば辛くはない。

十七が坂
 
じゅうしちがさか
18/39坂 山の手通りの西側、住宅街を一気に駆け上がる急坂が「十七が坂」。
馬鹿にして登り始めると、後半に壁のような坂がお目見えする。路面もスリップ防止加工だ。
後を振り返ると結構な展望が得られる。

馬喰坂
 
ばくろざか
19/39坂

「十七が坂」を登り切った先の十字路が「馬喰坂」。
立派な住宅が立ち並ぶ中、歩道脇に標識が佇んでいる。
そこそこの標高があるため、目黒川方面の展望がかなり開けている。住宅街だが、意外と交通量が多い。


なべころ坂
 
なべころざか
20/39坂 鍋がころがるほどの急坂が「なべころ坂」。
確かに15%の標識はかなりの急坂だ。周囲は大きなマンションが建っていて、道路脇に小さな標識があった。
この坂道をパンの移動販売している若者がいて、いかがですか?と言われたが、食後だったのでお断りした。
そうしたら、写真に写っている優しいタクシーの運転手が買ってくれていた。
道は広々としていて、坂下まで気持ちいダウンヒルが楽しめる。

けこぼ坂
 
けこぼざか
21/39坂 「この辺りは急坂であったため,斜面を切り開く切り通しの工事が何回となく繰り返され,道の両側の土手が高くなり土塊がこぼれ落ちた。この状態を目黒の古い方言で“けこぼ”と言ったためこの名で呼ばれた。(標識より)
”けこぼ”の意味をこうして初めて知ることができた。
駒沢通りの坂道で、バス停にもこの名前が使われている。緩く長い坂で、自転車でもそれほど苦にならない。

小川坂
 
おがわざか
22/39坂 烏森小学校横の坂が「小川坂」。
標識が見つからず、何度も往復して探索してやっと見つけたのがこの2枚の写真。
マンションの名前に小川坂の名前を見つけ、十字路の壁にプレートの標識を見つけた。
坂道としては緩い坂で、自転車も苦労することはない。

半兵衛坂
 
はんべいざか
23/39坂 野沢通りの緩やかな直線の坂が「半兵衛坂」。
江戸時代,この辺りに清水半兵衛を代々名乗る旧家があったため,半兵衛坂と呼ぶようになった。
綺麗に整備された道路と歩きやすい歩道が気持ちいい。

稲荷坂
 
いなりざか
24/39坂 「稲荷坂」は東横線の祐天寺駅付近にあるまっすぐな坂だ。
住宅街の細い道を直線的に登っていく。交通量は少なく、徒歩や自転車を押して歩く姿が目立つ。
坂の上から振り返ると、目黒川方面の展望が大きく広がる。

謡坂
 
うたいざか
25/39坂 謡(うたい)坂とは、不思議な名前の坂だ。
昭和の始め頃,この坂の近くに謡の好きな人が住んでいたので謡坂と呼ぶようになったといわれる。
住宅街のマンション脇に、立派な石柱が設置されているが、達筆すぎて「
謡坂」と読めない。
坂道は短く、あっという間に下りきってしまった。

どぜむ坂
 
どぜむざか
26/39坂 目黒通り、柿の木坂陸橋の手前の坂が「どぜむ坂」。
昔、付近の道端にお堂があたことから“どぜむ坂”と呼ぶようになった。
交通量激しい目黒通りを緩く登っていく坂道。交通量も歩行者も多く賑やかな坂だ。
歩道の片隅に立派な標識が設置されている。

柿の木坂
 
かきのきざか
27/39坂 環七と目黒通りの交差点から都立大駅へ向かう坂が「柿の木坂」。
柿の木坂陸橋を挟んで交通量が多い坂だ。
坂の標識がなかなか見つからず、周囲を何度も往復してようやく歩道の片隅に見つけた。

天神坂
 
てんじんざか
28/39坂 都立大駅から目黒通りを越えて、目黒区民キャンパスへ登る坂が「天神坂」。
坂は短く、勾配もたいしたことがないが交通量がかなりあるので賑やかな通りだ。
坂の途中に天神を祀った北野神社がある。

化坂
 
ばけざか
29/39坂 八雲の閑静な住宅街の緩やかな坂が「化坂」。
不思議な名前の坂だが、湧水が出る所を「はけ」と呼ぶらしい。
周辺は人も車も少なく、静かな坂道巡りを楽しめる。

氷川坂
 
ひかわざか
30/39坂 氷川神社から目黒通りへ向かう緩やかな坂が「氷川坂」。
緩いカーブを登っていくと目黒通りへ出る。道幅も広く、ゆとりのある住環境だ。

しどめ坂
 
しどめざか
31/39坂 宮前小学校脇にある坂が「しどめ坂」。しどめとはバラ科の草ぼけ(しどみ)のこと。
坂の下から登っていくと、最後は空に向かって登りつめるような短い急坂だ。
自転車では一気に登らないと押し戻される。標識のある辺りは急勾配で、写真を撮るのも一苦労する。

太鼓坂
 
たいこざか
32/39坂 しどめ坂のほぼ反対側にある、同じような急坂が「太鼓坂」。
学校の壁面に坂の標識と解説が設置されている。この坂も一気に登らないと途中で押し戻される。

谷畑坂
 
やばたざか
33/39坂 自由が丘駅付近の静かな住宅街を登る坂が「谷畑坂」。
住宅街にしては長く勾配もかなりある。普通の自転車ではかなりきつい登りだ。
徒歩でも息が弾むほどの坂だ。坂の上から下を見下ろすとなかなか気持ちがいい。

睦坂
 
むつみざか
34/39坂 目黒通りから自由が丘駅へ向かう緩やかな坂が「睦坂」。
行き交う車も歩行者も多く、様々なお店が立ち並ぶ賑やかな通りだ。
坂道は緩く、まっすぐに登っていく。お店を覗きながらのんびりと歩くのがよさそうだ。

蜀江
 
しょっこうざか
35/39坂 「蜀江坂」は坂学会のHPには詳細がなく、目黒区のHPに地図が載っている。
立源寺へ向かう上り坂が
蜀江坂と思われるが、標識もなく確かなことはわからない。
周囲はきれいな住宅が立ち並び、行き交う車も人の姿も少ない。
坂は適度な勾配で一度カーブを曲がって登りつめる。

兵庫坂
 
ひょっこざか
36/39坂 中根公園の脇から登っていく坂が「兵庫坂」。
坂学会のデータでは、「兵庫坂」の別名が「
蜀江坂」となっている。
二つの坂が存在するのか、それとも一つなのか・・・どちらも標識がないので詳しいことはわからない。
こちらの坂も蜀江坂」と同じような感じで静かな住宅街を登っていく。

寺郷の坂
 
てらごうのさか
37/39坂 岡田家長屋門の南側の坂が「寺郷の坂」。
坂の名称は、この周辺の地名が“寺郷”であったため。
立派な門前に設置されている標識が実に良く似合う。
坂は緩く短い登りだが、環七から目黒通りへの抜け道のため、結構交通量がある。

鉄飛坂
 
てっぴざか
38/39坂 呑川緑道から環七方面へ登る坂が「鉄飛坂」。
短いがかなりの急坂で、電動自転車でなければかなり大変な坂だ。
道幅もあまりなく、十字路は見通しも悪く通る際は注意が必要だ。
坂上の北側、標識の反対側に帝釈天を祭る小堂がある。

鶯坂
 
うぐいすざか
39/39坂 東工大の裏手、呑川緑道から大岡山駅へ一気に登る坂が「鶯坂」。
昔この坂の両側に竹や杉が茂り鶯がよく鳴いたという。
直線的な坂道で、標識のある辺りが一番きつい。
普通の自転車では、写真のように押して歩くことになる。逆に下りは快適そのもの。

走り終えて

目黒区の坂は意外と楽だった。
大田区の坂道巡りは、距離もあり広いエリアに渡っていたので、移動だけでもかなり時間がかかった。

その点目黒区の坂道巡りは意外とコンパクトにまとまっている。
坂道巡りも2回目となると、色々と要領を得てきて、坂道の標識探しもかなり慣れてきた。

地形や道の様子、周囲の雰囲気などから”坂の標識”のありかも予想できるようになってきた。
自分の住む地域の坂道をこうして一つ一つ巡ってみると、今まで知らなかったことだらけだ。

この坂にこんな歴史と物語があったのかと知って、ただただ驚くばかり。
タモリさんの本を読むと、さらに坂道の魅力に引き込まれる。

坂道巡り、実に面白い。
東京にはまだまだ未知の坂がたくさんある。さて、次は何区の坂を巡ろうか?

(2022年4月、5月 走行)


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