峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2021 > 境川・引地川(藤沢・大和自転車道)




この二つのコースを繋げると、ぐるっと周回できる。

距離も手頃、標高差もほとんどなく、天気のいい秋晴れに走ってみることにした。


2021年11月5日(金)


東名高速を横浜町田インターで降りて、泉の森へ向かう。

かなりの渋滞に時間をとられ、ようやく静かな森の中に車を停める。


美しい水の湧き出る引地川の源流、大和水源地一帯の樹林地が泉の森だ。

ここの散策だけでもかなり楽しめそうだ。機会があればゆっくりと楽しんでみたい。

鶴間駅を越え、しばらく交通量の多い中を我慢して自転車道入口まで走る。


それにしてもこの辺りは交通の大動脈だ。激しい騒音と車の数に嫌気がさしてくる。

ようやく境川自転車道に入って生き返る。

突然静寂の世界が広がってくる。その変化の激しさに驚くばかりだ。


きれいに舗装された素晴らしい自転車道が目の前に広がる。

この明るい道が海まで繋がっているのだから、心は弾むばかり。

ちょうど休憩所があったので、軽く腹ごしらえをして走り出す。


最近、穏やかな天候が続いているため、境川も静かな表情を見せている。

今日は雲一つない快晴で、キラキラと輝く川面がさらに周囲を明るく照らしている。


この天気に誘われて、ジョギングする人、ウォーキングする人の姿も目立つ。

そしてやはり自転車の姿も多い。ほとんどがロードだ。

こんなガードをつけ、重装備をして走っているサイクリストはまずいない。


スロープで地下道をくぐる場所もある。

写真を撮っていたら、前方から凄いスピードで外人さんが一気にこの地下道を通り過ぎて行った。

まあ、ほとんど通行する人もいないけれど、ここはやっぱり徐行しましょうね。


周囲は田園地帯が広がり、すっかり秋の風景だ。

まさかあの激しい国道のすぐそばに、こんなのどかな風景が広がるなんて思ってもみなかった。

雑踏は全く聞こえない。車の姿も全く見えない。一瞬でどこか遠い所へワープしたような感覚だ。


走りやすい道が延々と続く。海へ向かっての川沿いだから、ほとんど気楽な道のりだ。

さすがに海まで行って戻ってこよう、なんて人は少ないだろうが、サイクリングとしては素敵なコースだ。


途中の休憩所にはサイクルラックも置いてある。やはりここは人気のあるコースなのであろう。

自転車道の柵には、自転車をモチーフにした模様が施されている。

綺麗な路面、十分な道幅、そして休憩所の整備など、ちゃんと真面目に考えられた自転車道だと感じる。


自転車道の案内も整備されていて安心だ。

いつまでもこんな素敵な道を走り続けたいが、しだいに国道が近づいてくる。


ロードで快走するのもいいが、こうしてランドナーでゆっくり写真を撮りながらのポタリングもいい。

意外と変化に富んだ道で、近場の自転車道としてはとても魅力的だ。

自宅から車を使えばすぐにこんなツーリングができるとは驚くばかりだ。


途中、こんな場所もあった。

「猫のとび出し注意!!」という大きな張り紙が視界に飛び込んできた。


何ですって、猫が沢山いるんだ・・・飛び出し大歓迎です、と期待して周囲を覗き込むがまったくいない。

いったい何なんだここは? とせっかくの出会いを期待したのですが、結局一匹も会えず残念。


やがて潮の香りがかすかに漂い始め、街中にサーファーがちらほら目立つようになってくると海は近い。

田園地帯を走ってきて、いきなりこんな風景に変わると、またまた違うところへワープした感じだ。


片瀬江ノ島駅前は凄い人で賑わっている。これだけの賑わいを見るのは久しぶりだ。

さらに、江の島へ向かう遊歩道は若い人たちで行列だ。

コロナ禍も落ち着き、そしてこの好天気で多くの人出で、観光地はかなり賑わっている。


海岸へ出てみると、碧く、美しい眺めが広がっている。

長く、先の見えない自粛期間を過ごし、ようやく人々の姿も多くなってきた。


こんな当たり前の光景が、実に懐かしく思える。もう、人々のストレスも限界だろう。

真っ青な海を眺めているだけで、ずいぶんと心が癒される。


なんて変化のある一日なのだろう。

こんな簡単に海を目にすることができるなんて、実際驚きを隠せない。

スタート地点の深い森、激しい交通量の国道、川沿いの田園風景、そして大海原。


サーファーだらけだ。まったく知らない、自分には縁のない世界だ。しかし自転車だけは気になる。

サーファーにとって、自転車は大事な移動手段。これがなければ海まで来れない。


なんといってもこの”キャリア”が面白い。正式名称は「サーフボードキャリア」というのかな?

なるほど、こうしてセットして、縛って運ぶのか。よく考えられている。

我々のサイドバッグとは比べ物にならないほどのデカさだ。結構注意して運転しないとあちこちぶつけるね。


今日は自転車道を周回するのが目的なので、ここでゆっくりとしていられない。

すぐに海岸線と別れ、引地川へ分岐する。

先ほどのサーファーのお兄さんの後ろ姿を眺めながら、しばらく一緒に走る。


後半の引地川沿いの道もなかなか素敵だ。今度は住宅街の中を縫うように、緑の小道が続く。

車道と完全に分離された、ちょっと広めの歩道という感じだ。

適度に小さな公園が整備され、雰囲気のいいベンチで休憩することもできる。


ビーチの賑やかさから再び静かな遊歩道へと変わってきた。

自分にはやっぱりこういうところが落ち着く。コーヒーとお菓子で一服する。


引地川親水公園にやってきた。いやぁ、ここはなんて素晴らしい公園なのだろう。

とにかく開放感が抜群だ。そしてどこを見渡しても美しい。広くて人も少ない。

もしここでキャンプできるとしたら、いくらでも泊まれそうな気がする。


この季節だから、コロナ禍だからこれだけ空いているのかもしれない。

桜の咲く頃、この公園は相当人気があること間違いない。

それにしても、なんだこの余裕とゆとりのある空間は・・・ちょっと考えられない。


そしてそして、決定的なのはこの子たちだ。なんとあっちにも、こっちにも・・・ うわぁ、いっぱいいる!

ちょうど面倒見ている方たちがご飯をあげている時に出会った。


どのように管理されているのかわからないが、どの猫も健康そうで、そして楽しく遊んでいる。

きっと、猫がのんびり暮らせるほど自然に恵まれ、管理が行き届いた公園なのだろう。そう感じた。


今日の引地川はほとんど流れもなく、川としての存在感はあまり感じない。

それでも川沿いの道は刻々と変化し、自転車で走るだけでもかなり魅力的だ。

ある意味、期待を裏切られた驚きだ。これだけ楽しめるとは思っていなかった。


素朴な川なのだろうか。自分にはこの川の本当の姿が全く分からない。

川というのは、そこに住む人にとって生活の一部。

川は時には表情を一変させる。そんな姿を自分は知らず今日の姿を楽しんでいる。


いろいろと考えながら走ってきた。境川に引地川。

どちらの川も素敵な表情を持っていた。大きな川にはない、素朴さと優しさがあった。


ゴールも近づいてきて、いい気分でフィナーレを迎えようとしていたらこんな悲劇に見舞われた。

今日のコースは自転車道だし、路面もいいし、トラブルもないでしょう・・・

なんて軽い気持ちで走り始めたが、最後に衝撃的なパンクだ!


あと2kmというところで後輪が急にしぼんでしまった。

路面も悪くないし、いったい何なの? バルブ?

日も暮れてきて、さっさと片付けて車に戻りましょ、と後輪を外す。


タイヤを外そうとして、”痛っ!!”

なんなん? よく見たら何か刺さってる! 硬い鉄線のようなものが食い込んでる。


どひゃ!これじゃしょうがないね、と取ろうとするけど簡単に取れない。

プライヤー持ち出してやっと引き抜く。やれやれ・・・と思ったら、また”痛っ!!”・・・


気絶しそうでしたよ、ホント・・・我が目を疑いましたね、これを見て。

どうやったら、こんなことができるのか、誰かおせーて。

マジックショーみたいな光景に悩んでいる暇なく、チューブを取替えて復帰。


いろんなことがあった今日の旅。まさかここまで楽しめるとは思っていなかった。

軽いポタリング気分で来たけれど、どうしてどうして、すっかり本格的なツーリングの一日。

最後は衝撃的なパンクに見舞われ腰を抜かしたけれど、無事に車に戻ってこれた。


この泉の森も素敵な所だ。何もかもが自然で、ゆとりがあって素晴らしい。

今日は新たな発見がいくつもあった。まだまだ近場でも素晴らしい所はたくさんある。

素晴らしいコースを紹介してくれた、このガイドブックに感謝感激!ありがとう!

 

 


 

距離: 57.2 km
所要時間: 6 時間 47分 06 秒
平均速度: 毎時 8.4 km
最小標高: 18 m
最大標高: 73 m
累積標高(登り): 106 m
累積標高(下り): 97 m


(2021/11/5 走行)


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