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2021年10月26日(火)


都内の手頃なお散歩コースとして、神田川・善福寺川が雑誌でよく紹介されている。

何度か走ったことがあって、短時間で変化のある街の散策ができる。

天気もいいので、思い立って午後から出かけてみた。


日中の交通量の多い車道を走りたくないので、現地までカーサイだ。

環七の神田川入口から走り出す。一歩入れば激しい車の騒音はすぐに聞こえなくなる。


以前来た時には、川沿いにずっと走っていくことができたのだが、今日は所々で行く手を遮られた。

「神田川整備工事」と書かれた工事案内が設置されていて、大きく迂回させられる。


ツーリングの時みたいに「突破」するわけにはいかず、迂回して再び川沿いに戻る。

さらにその先でも同じように工事中で、自転車は降りて押して下さいとしつこく書いてある。


なんだかすっきりしない出だしだったが、その後は雰囲気のいい遊歩道に変わってきた。

川沿いの道は住民の生活道になっていて、かなり行き交う人も多い。


また年配の方の自転車も多く、その超スローペースに悩まされることも多い。

まあ、歩行者優先、高齢者優先の気持ちでゆっくり行くことにする。


本日はこのミラーレスカメラを持ってきた。あまり出番がないだけに、こうした時に使ってみる。

しかし安物のレンズなので、あまりいい写真は期待できそうもない。


ゆっくり走る目的なので、こうしたスローの走りも苦にならない。

休憩できる場所も適度にある。ベンチに座って一服するのもいい。

整備されている案内図を見たり、川の生き物を眺めたりと楽しみ方はいろいろ。


道はくねくねと蛇行し、公園で休んだり、車道を渡ったりしながら走っていく。

住宅街の中を行くと、住民の生活感が伝わってくる。

そうしたところがこの遊歩道の魅力かもしれない。


富士見ヶ丘駅の先では、京王井の頭線の車両基地の真横を通る。

電車をこんなに近くで見られるとは思っていなかったので、少々驚いてしまった。

ちょうど車両のメンテナンスをしているところで、派手なカラーリングに装飾していた。


井の頭線に沿って走っていくと、やがて井の頭公園に入っていく。

お馴染みの公園だ。広大な園内の中を自転車は自由に走っていくことができる。

さすがにここまでくると多くの人出で賑わっている。ボートを楽しむ人も多い。


ようやくかつての賑わいが戻ってきた感じだ。

平日にも関わらず、園内は若者を始め、カップル、年配者と年代に関係なく賑やかだ。


暖かい日差しの中、ベンチに座って持ってきた”
ふかし芋 ”で休憩。

目の前を多くの人が行き交うが、1年前と比べると人々の表情に明るさが出てきたように感じる。


吉祥寺の繁華街を素早く通り抜け、善福寺池へ向かう。街中は凄い混雑で走るのにも苦労する。

後半は善福寺川に沿ってスタート地点へ周回する。


神田川沿いと違って、善福寺川沿いの道はかなり狭く走りにくい。

そもそもこの道を自転車で走る人がどれだけいるのか疑問だ。


前方から人が歩いてきたり、自転車が来たら結構迷惑になる。

ま、それでも最後まで通り抜けたいのでなんとしても川沿いに走ることにする。


前方に保育所の園児を乗せた押し車に出会った時はさすがに困った。なかなか進まないので後方で待機。

すると子供が気が付いて、”後ろから自転車!”と保育士さんに教えた。

ありゃりゃ、いいのに・・・待ってますから・・・しかし、全員で端っこに避けてもらって通過・・・


”ごめんなさい、スミマセン・・・”と謝りながら行くと、子供たちが逆に”すみませんーん”ですって。

やっぱりちょっと迷惑ですね、ここを自転車で走るのは。周囲の状況をよく見てから通過したいものです。


川には大きな文字で水深の表示がされている。黄色が注意、赤が危険ということか?

この辺りの川は過去よく氾濫して大きな被害がでた。最近は対策が施されてかなり状況も改善されたようだ。


狭い中、バランスを取りながら通り抜ける。自動二輪の1本橋を渡る試験のような感覚だ。

時にはこんな危ない所もある。夜暗い中走ってきたら、木の幹に正面衝突間違いなし。


逆にポタリングとしては、ジャングル的要素満載で楽しいばかり。

願うのはただ一つ、前から誰も来ないでね・・・


環八を渡ると走りやすい道に変わり、これで一安心かと思ったらなんと信じられない障害物が現れた。

なんだかよくわからない状況だが、自転車で通過することは極めて困難だということはすぐわかった。


大きな木が根元から倒れかかって、橋の柵で持ちこたえてるという感じ。

歩行者はかがんで通過していくが、さすがにアホだと思われたくないので対岸へ渡って通過した。


いやはや、なかなかなワイルドな遊歩道だ。すっかり楽しくなってきた。

さらにその先も自転車には試練が待ち受ける。


大きな看板が設置してあったり、住居の工事で行き止まりになっていたりとまともに走れない。

ナビで裏道を探して再び川沿いに戻る、なんてことの繰り返しだ。


善福寺川緑地に入ると、景色も雰囲気も一変する。広大な敷地の中、素敵な小道がずっと続いている。

訪れる人にとって最高の憩いの場だ。子供たちも走り回って、元気に遊んでいる。

ウォーキング、ジョギング、犬の散歩。贅沢な広さと静かな環境。なかなか素敵な緑地公園だ。


ゴールも近いが、神田川、善福寺川ともカモの姿をよく見かける。

かなりの数がぷかぷかと浮かびながら、水中に頭を突っ込んで何かを捕っている。

頭を突っ込んで逆立ちしそうな姿がとってもかわいくて、思わずカメラを向けてしまう。


やはりそうしたカモを狙って写真を撮る人もいて、この女性はしっかりした望遠で真剣に撮影していた。

ぐるっと周回して約3時間、28kmの小さな旅。

こんな大都会にこんなにも楽しめる空間があったのか、と再発見の一日だった。



(2021/10/26 走行)


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