峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2021 >  四十八曲峠・古峠・三和峠




2年前、2019年5月のGWに行った北アルプス絶景ツーリングがあまりに感動しすぎて、翌年また行こうと計画した。

しかし、コロナの影響でツーリングも中止になってしまった。


どうしてもあの絶景を再び見たくて、再度2021年のGWに同じコースを走ることになった。

そこまでしても走りたくなるコースなのだ。


4人分で取った新幹線eチケットも、何のトラブルもなく全員集合。いやぁ、チケットレスは便利ですね、ホント。

新作デモンタ君は何やら新兵器をつけてきて「くるくる」輪行ですね。各自独自の輪行方法で上田駅に到着。

しかし、新幹線は空いてました・・・乗車率半分以下ですね・・・GWなのに大丈夫かなJR。


初夏のような陽気の中走り出す。日焼け止めをしっかり塗らないと今日は痛い目にあいそうだ。

初日は前回のコースを変更して千曲川沿いに北上する。


前回は修那羅峠を越えたのだが、前半でいきなり力を使い果たすほどだったので反省だ。

快適な自転車道だが、今日はやたらと向かい風が強い。なんなん?・・・トレーニングしているみたいな強風だ。


舗装が真新しい。きっと、2019年秋の台風の被害で作り直したのだろう。

今でも記憶に残るあの台風。新幹線の車両基地が浸水した映像は鮮明に覚えている。


こんなにきれいに整備されて、当時の面影はどこにもない。

こうして走ることができることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。


平坦な道なのだが、強風のおかげで結構疲れた。

1時間ほどのプロローグは終了し、千曲川を離れいよいよ登りに入る。


駅をスタートしたのは4人だが、もう一人京都からのメンバーがこの先の坂上トンネルで待っている。

電話で連絡すると、どうやらこちらのほうがだいぶ遅れている感じだ。


登りはじめに大きなお寺があった。「智識寺」という有名なお寺だそうなので、ちょっと見学してみる。

先を急ぐ先頭の二人はノンストップで行ってしまった。


千曲市の有形文化財に指定されていて、「 紫陽花寺」との別名もあるらしい。

入口の仁王門に掲げられているのが大きなわらじだ。あまりに大きいので、思わず立ち止まってしまった。

大わらじを前に、旅の安全、健脚を願ったのだが・・・翌日、足回りのトラブルに見舞われるメンバーが・・・


のんびりしていられず頑張って登っていくが、初日なので体も荷物も重く、ペースも今一つあがらない。

平均7%近い登りが5kmほど続く。道幅も広く交通量はほどんどないので、辛い登りもいくらか救われる。

ギヤ比の高いメンバーは、広い道幅を目一杯に使って、蛇行しながら登っていく。


トンネルも間近、いよいよ九十九折が近くなると、後方から元気のいいロードチームが現れた。

凄いペースでヒルクライムしてくる。何かトレーニングでもしている感じだ。

当然ながらあっという間に追い抜かれ、みるみるうちに視界から消えていった。


さらに、ワインディングロードを楽しむバイクが、エキゾースト音を奏でながら、コーナーリングを楽しんでいる。

上まで行ったかと思えば、また下ってきて登り返す・・・せっかく静かな山道も騒音で台無しだ。


ようやく坂上トンネルに到着。結構手ごたえのあるトンネルだった。

ロードチームはすでに休憩していて、彼らに迎えられてトンネルに入っていく。


トンネル内は涼しく、とても明るくきれいだ。しかしこのトンネル、なんと登り勾配だ!

自転車にとっては一番つらいのがトンネル内の登りだ。

まあそれでも、交通量が少ないので車の轟音に驚かされることもなくて助かった。


トンネルを抜けた先に、京都からのメンバーが首を長くして待っていてくれた。

昨年秋のツーリング以来半年ぶりの再会だ。

これで全員無事に揃って、今回も楽しいツーリングになりそうだ。


すぐに四十八曲峠への道へ分岐する。ようやくここから我々の大好きな峠路が始る。

例によって、通行止めの看板は視界に入らず、そして読めずに先へ進む。

一気にランドナーが似合う風景が広がってきた。ロードの彼らはこういう楽しみはわからないだろうなぁ。


突然現れたのが、一面に広がる山桜だ。すっかり桜は終わってしまったと思っていたので驚いた。

還暦デモンタ号と桜の共演が素晴らしい。やはり、美しい自転車は絵になる。


四十八曲峠のトンネルまでは、標高差100m程のわずかな登りだった。

トンネルは完全に封鎖され、反対側の出口が暗闇の中に遠く光って見える。

時刻もちょうどお昼時。誰も来ない、日当たりのいい広場に陣取ってランチタイムの始まりだ。



●四十八曲峠のトンネルが通行可能だった頃の詳細は、ニューサイでも紹介されている。(No.292 1988/11)

●また、私の大好きなホームページ「峠と旅」でも詳しく紹介されている。
 http://wellon.lomo.jp/tohge/tohge_4s/shijyuuhachimagari/shijyuuhachimagari.htm



クラブランで何が一番楽しみかって、そりゃ間違いなくランチタイムでしょう。

今回も5人それぞれのユニークなレシピで、楽しいクッキングの開始となった。


自分は、最近手に入れたダイソーのメスティンで棒ラーメン作り。

いろんな具材を投入し、油揚げやカニカマをトッピングしてもらって、最高の一品が完成。


そして今回の話題は、このホットサンドメーカーだ。

何やらゴソゴソとバッグから取り出し、ハンドルをねじ込むとなんとホットサンドメーカーが完成!


分解式に感動したのと、コンビニで仕入れてきたチキンに驚き!

これでアツアツをいただき、さらにおにぎりを挟んで「焼きおにぎり」を作るそう!!

もう、開いた口が塞がらない・・・こんな重い物をわざわざ・・・次回は食パンでお願いします。


すっかりお腹も満たされてご機嫌に。2台並んだエルスを前にしばし自転車談義だ。

ここまで本日の予定のまだ半分程度。後半は何度も登り返しがある厳しい道筋が続く。


食後も登りから始る。荷物は軽くなったが、体が重くなった。

小さなピークを越えて、一旦下ってしまう。せっかく登ったのに実にもったいない。

通行する車両がないため、落葉や枝木、小石などで少々散らかっている所もある。


路面に落石が転がっているコーナーもあるので、スピードの出しすぎに注意が必要だ。

下るにつれて、東側の展望が広がってくる。眼下に千曲川の流れがよく見える。

その先の分岐地点が古峠だ。「林道冠着山線」の標識と、「ここは古峠」と書かれた案内が建っている。


古峠からの展望も素晴らしい。ちょっと雲が多くて残念だったが、長野自動車道を見下ろす高さは気持ちいい。

時刻は15時になろうとしているが、今日は余裕だ。

秋のツーリングならそろそろ日没を気にする時間だが、この季節は全く心配いらないのが助かる。


一本松峠を過ぎると、再び急坂が待っている。

石畳の路面に変わり、全く乗車できずにヒーヒー言いながら押していく。(誰かさんを除く)


再び下った先が聖湖だ。ゴールデンウィークの観光地なのに、ほとんど観光客が見当たらない。

以前同じ時期に来た時には、多くの家族連れで賑わっていたのに様変わりだ。


いよいよ宿まで最後の踏ん張りどころだ。

アップダウンがジャブのように効いてきて、すでに脚力も限界に近くなっている。


ちょっと勾配がきつくなると、もうまっすぐ走れない。

誰かさんは真横を向くほどの蛇行で何とか登っていく。

するとそんな勾配の中、片手におにぎりを持ったKINGが、エネルギー補給しながらスイスイと通り過ぎる・・・唖然


三和峠までの登りは辛かった。何度も来ていてわかってはいたが、やはり厳しい登りだった。

乗ったり押したりの繰り返しだ。もうちょっと平均的な勾配にしてくれればずっと乗っていられるのだが・・・


峠が見えてきて、久しぶりに歓声をあげたくなるほどだった。

時刻は16:30 まだこれで終わりではない。さらに最後のとどめの登りが待っている。


標高も1200mを越え、展望がさらに開けてくる。

もうここまでくれば気分も上々。なんとか予定時間には宿に着けそうだ。


何度も何度も登って下って、そして宿には登って到着という、苦しい苦しいゴールインだった。

これまでに何度か利用している宿だが、今回は我々のほかに家族連れが1組だけだった。

我々にとっては空いていて快適だが、宿にとっては危機的な状況だろう。


以前のように、楽しくにぎやかにおしゃべりしながらの食事というわけにはいかない。

まあ、それでもこうして一日ツーリングを満喫できて、うまいビールが飲めるだけで幸せだ。

よく走った初日だった。さあ明日の朝、あの絶景が待っていてくれる!

 

 

距離: 46.8 km
所要時間: 6 時間 59 分 18 秒
平均速度: 毎時 6.7 km
最小標高: 381 m
最大標高: 1249 m
累積標高(登り): 1287 m
累積標高(下り): 546 m

(2021年5月3日 走行)


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2021 > 四十八曲峠・古峠・三和峠

inserted by FC2 system