峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2020 > 切明温泉・秋山郷




切明温泉を訪れたのはこれで三回目。秘境の宿だけに、ここに来るだけでも大変だ。

今回も同じように素晴らしい思い出の宿となった。


変わらぬ宿の外観、ロビー、吹き抜け、薪ストーブ、熊の剥製。

豪華な料理に温かいおもてなし、そして何と言っても露天風呂だ。


いつまでも続けていてほしい、日本でも数少ない私のお気に入りの宿だ。

1991年、最初に訪れた時の写真をご主人にプレゼントすると、変わら宿とメンバーの姿に驚き、とても喜んでくれた。
 

1991年9月 切明温泉 切明園

初めて訪れた切明温泉。夜は川原で露天風呂掘りました。

2000年10月 切明温泉 切明園

水平歩道を越えて2度目の訪問。宿の人に驚かれました。



2020年11月23日

最終日は再び雨になってしまった。今回自分の旅3泊4日のうち、3日間雨という記録的な天気となった。

朝から大きな雨粒が滴り落ちる。標高が高く気温もかなり低い。


3日目の雨だが、今朝の雨が一番厳しい状況だ。

なんてこった、昨日の極上秋晴れツーリングは夢だったのか・・・と思うほど天気は一変した。


すっかり雨男になってしまったのか・・・それにしても4打数3安打だ・・・ひどすぎる。

静かな朝食をいただく。こんな天候で、すっかり意気消沈。
 


重い腰を上げて出発の準備をする。

雨具を忘れたメンバーは、宿のゴミ袋をもらって即席レインウェアの作成だ。

準備のいいメンバーは、本格的なシューズカバーまで用意している。


各自それぞれの雨対策が面白い。色々と参考になる。

自分はもう慣れたもの。手足もバッチリ防水して、濡れるところはほとんどない。

出発の時、宿のご主人と奥様が心配そうに我々を見送ってくれる。
 


お二人に記念写真を撮っていただいた。全員、なんていい笑顔なのでしょう!

本当にお世話になりました。素晴らしい宿でした。また絶対に来たいと思います。
 


笑顔の素敵なお若い二人。とにかく素晴らしいおもてなしでした。

お会計を間違えるほどたくさん飲ませもらいました。すっかり在庫もなくなったことでしょう。

雨の降る中、最後までお見送りいただいて本当に心温まる宿でした。
 


走り始めると、いきなり厳しい自然の中に放り出された。

宿からの登り返しが辛い。雨具を着こんで、不自由な格好での登りはハードだ。
 


10:32 標高1014m 宿から155m登り返して本日の最高点の分岐に到着。

ここも車両通行止めの案内が設置してある。

多少雨も小降りになって、ここで一息つく。それにしても、雨具を着ての走りは不快この上ない。


この天候と、ゆっくりとしたスタートで、本日は大幅なコース変更を余儀なくされた。

そしてさらにこんな状況の中でトラブル発生だ。
 


全面舗装ということで、TOP63とチューブラーでやってきたこのメンバー。

今朝のスタート時点で、後輪チューブラーが今にも張り裂けそうになっているのに気が付いた。


チューブが今にも「顔」を出しそうなほど膨れ上がっている。どひゃ!

それでも気にせず走り出したのだが・・・休憩後やっぱり事件は起きた。


走っているといきなり「パーーーン」という快音が山中に響き渡った。

自分はすぐそばにいたので思わず心臓が止まりそうだった。

やれやれやっぱりな・・・とさっそく修理だ。といってもチューブラーなので大変だ。
 


雨の降る中、皆でパンク修理を手伝う。

ここで大活躍なのがやっぱりこの人だ。パンク修理名人、プロフェッショナルのT氏だ。


面倒なチューブラーの交換も手慣れたもの。あっという間に装着、センター出し、ホイールチェックだ。

最後はパワフルKINGの登場!全体重をかけてエアーを送り込む。インフレーター壊れそう!

素早い修理でたいしたロスもなくトラブル終了。
 


天気は回復する気配は全くない。辺りは真白になり始め、風も強くなってきて会話も聞こえないほどだ。

まったく、なんて天気なんだ。晴れていれば晩秋の秋山郷を楽しめるはずなのに・・・
 


当初の予定はすでに諦め、今日は津南駅で終了という軟弱コースとなっていた。

どんなに頑張って走っても、越後湯沢までは無理だ。

まあ長いサイクリング人生、こうして諦めることも大切。もう無理がきかない歳になりました。
 


標高も500m付近まで降りてくると、迫る山肌と深い渓谷が続いてくる。

切明温泉から中津川沿いに続くダイナミックな景観は、秘境の名にふさわしい秋山郷の魅力だ。
 


写真やビデオを撮るのも大変だ。グローブが邪魔で撮影できない。

ポケットからカメラを取り出し、撮影したらまたポケットにしまい、またグローブをはめる。

そんなことをしていると、すぐに先頭から遅れだす。少しでも追い付こうと、遅れた分を取り戻す。


時には集団の前に出て待ち構える。晴れてても、雨が降っててもカメラマンには関係ない。

おかげで、こんなに思い出深い写真や映像がたくさん残っている。

皆さん、カメラマンに感謝しましょうね。
 


降られ続けて津南駅に逃げ込んだ。もう、走るのはこりごりだ。

時刻は13時。まだまだこれから後半戦の開始というぐらいの時間だが、もう走る気はない。


列車の時刻を調べれば、そんなに余裕がないこともわかった。

これで終わりとなると元気が出てくる。まずは汚れた愛車の掃除からだ。
 


駅の駐輪場が地下になっているので、そこで輪行大会だ。

各自それぞれの輪行方法で、これを見ていればすべてがわかるというぐらい面白い。

伝統的な輪行方式から、デモンタ、反則技、その他・・・縦型、横型、自由形・・・いろいろでした。
 


唯一やっていた駅前の喫茶で昼食だ。

簡単な祝杯とチャーシュー麺で空腹を満たす。
 


カーサイメンバーとはここでお別れだ。輪行組6名で飯山線に乗り込む。

2両の車内はガラガラだった。この時間になってようやく雨も止んできた。

もっと走りたかったが、今回はこれで良かっただろう。
 


残念ながら、帰りの楽しい宴会列車も禁止だ。

新幹線のシートも回転できず、静かな車内で一人飲み状態だ。


今年の紅葉ランも無事に終了した。とにかく無事に終わることができてよかった。

自分としては、記録に残る雨三昧に疲れ果てたが、こういうツーリングこそいつまでも記憶に残るものだ。

次のツーリングこそ、コロナを気にせず楽しく走りたいものだ。
 

距離: 34.8 km
所要時間: 2 時間 56分 19 秒
平均速度: 毎時 11.8 km
最小標高: 200 m
最大標高: 1014 m
累積標高(登り): 332 m
累積標高(下り): 990 m

(2020/11/23 走行)


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