峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2019 > 多摩川河口




台風の被害状況はどうなっているのか気になって、久しぶりに多摩川河口方面へ走ってみた。

良く晴れた暖かい師走入りだ。丸子橋からスタート。
 

対岸に聳え立つのは武蔵小杉のタワーマンション。ここも台風で大きな被害に見舞われた。

サイクリングロードはいつもと変わらないが、河川敷はいまだに凄い状態だ。
 


至る所で工事車両が忙しそうに動いている。

莫大な量の土砂が河川敷を埋め尽くし、木々をなぎ倒した。

溜まった土砂を取り除くだけで、果てしない作業が続いている。
 


フェンスも倒れ、水たまりができ、グランドは沼地状態で使用不可能だ。

広場も、公園もぐちゃぐちゃ状態。いつもなら親子が楽しく遊んでいる姿が見えるのだが、誰もいない・・・


鉄橋の下などは砂に埋まったところもあって、気を付けないとハンドルを持っていかれる。

以前のような姿に戻るには、まだまだ多くの時間がかかりそうだ。
 


台風の被害がなければ、暖かな晩秋の多摩川だ。

これだけいい天気なら、もっと人が出てきていいのに、散歩する人が数名いるぐらいで 人もまばら。

おかげで、静かにポタリングを楽しむことができる。
 


いつもは憩いの場で賑わう、団地前の散歩道も誰もいない。

こんな静かな多摩川も珍しい。
 


大師橋を渡って神奈川県へ。

今日は穏やかな多摩川だが、台風の時はいったいどれほど凄かったのだろうか。
 


多摩川右岸を河口へ向かう。ここから先は行き止まりになるため、行き交う人も少ない。

土手の道は道幅も広く、きれいな舗装で気持ちいい。


巨大なヨドバシカメラの物流センターが見えてくると終点も近い。

多摩川に住む猫ちゃんたちが自由気ままに暮らしている。

地域の方の努力で、猫たちもちゃんと管理され、元気に生きている
 


終点は羽田空港の対岸。

「多摩川河口」の向こうに、着陸する飛行機が間近に見える。


ここまで
やってくる人はほとんどいない。来ても何もない。

ただ海と飛行場が見えるだけ。でもそれが魅力的。


うまい具合に、今にも朽ち果てそうだが、ちょっとしたベンチとテーブルがある。

今日のランチはここでいただこうと思って用意してきた。
 


コンビニで仕入れてきたのは「おでん」。この時期はこれに限る。

あえてアルコールストーブにこだわって、不便さを楽しんで調理開始だ。


風もない穏やかな昼下がり。音もなく、炎も見えないアルコールストーブでおでんを温める。

高出力のガスストーブを使い続けてきたけれど、こんなシンプルな道具で同じことができるとは・・・

音もなく、臭いもなく、ゴミも出ず・・・環境にやさしいとはこういうことか。
 


旨い。

なんておでんはおいしいのだろう。やっぱり、冬のアウトドア料理には欠かせない。

残ったおでん汁におにぎりを投入。特製雑炊の出来上がり。これがまた旨い。


全くひとりぼっちだ。都内からすぐ近くに、こんな場所があるなんて驚きだ。

おでんの湯気の向こうに、次々ジャンボ機が着陸する。

忙しい毎日を過ごしている人、少々心が疲れている人、そんな人はここがおすすめかもしれない。
 


日も傾き、帰路に着く。


多摩川河口付近から見る上流の景色もなかなかいい。

広々とした川幅の向こうに夕焼けが広がる。


マンションやビルの先に山並みも見える。

都会と自然が入り混じって、なんとも言えぬ光景だ。
 


寒くなってきた。日が落ち始めればすぐに暗くなる。

ポタリングの気持ちでやってきたが、どうしてどうして、素敵なツーリング気分を味わえた一日だった。
 

 

(2019/12/29 走行)


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