峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2019 > 信濃川・小阿賀野川・能代川




今年の秋、日本列島は台風の被害で物凄いことになった。

電柱が倒れ、屋根が吹き飛ばされ、停電、断水、食料不足、通信設備、交通網・・・社会インフラが不能になった。


そして台風19号。

多くの川が氾濫し、多くの家屋が浸水し、土砂に埋もれ、都市も地方もめちゃくちゃになった。

こんな悲惨な日本の秋の景色をこれまで見たことがない。


日本はどうなってしまったのか、これだけの被害から本当に立ち直れるのだろうか。

そんな重い気持の中、恒例秋のクラブランを迎えた。


果たして現地の状況はどうなっているのか? 林道や峠は本当に走れるのか?

自治体のHPから情報を探すが、詳しい状況は入手できない。

しかたない、やはり現地へ行って詳しいことは聞くしかない。

 



クラブラン前日に旅立ち、足慣らしを兼ねて燕三条から川沿いのポタリングとしゃれこんだ。

いつものように車両最後尾の席を予約し乗車。余裕で輪行袋を置けると思ったら、なんと輪行ラッシュだ。


のんびり乗車していたら、女性のロードメンバーに先に場所を取られてしまった。

まあ小さな輪行袋ひとつだからどうにでもなる。デッキの荷物置き場に変更だ。


そして大宮から隣の席に乗ってきたのは、雑誌で有名なあの「T氏」。

一目でわかる風貌と、使い込まれたバッグ。お互い同族同士なので、すぐに会話に花が咲く。

どこの誰だかお互い紹介もせず、旅の話に盛り上がる。
 


さすが大御所、よく走っている。特に新潟・頚城地方はやたら詳しい。

鉄道、カメラ、音楽、と皆さん好きな物が同じだ。だからすぐ友達になる。


なんか、久しぶりに自分に近いサイクリストに出会った、という感じだった。

越後湯沢、浦佐でT氏、ロードチームが降り、ようやく自分一人の車内になった。


今日のツーリングの目的は足慣らし。

ここ最近腰痛に悩まされていて、先日も整形外科へ行って治療を受けてきたばかり。


いくらか回復してきたので、少しづつ動かした方がいいと言われ準備してきた。

まあ、輪行袋担いでここまでこれたんだから、たぶん大丈夫でしょう、この三日間の旅。
 


今日は気分的に余裕がある。
スタートの時間も早いし、標高差がほとんどない。そして天気もまずまず。

二泊三日となると荷物も重い。走り始めは体も重いが、すぐに信濃川沿いに出れば、もう自転車天国だ。


台風の被害はほとんど見受けられない。

川の護岸が削られ多少工事をしているが、ニュースで見たような被害はこのあたりでは見られなかった。


信濃川に沿って、何も考えずペダルを回す。きれいな路面、フラットな路面が心地いい。

ゆったりとした時間が流れる。


とかく忙しい
毎日。何かに追われ、時間に支配される日々。

そんな毎日から抜け出し、こうしてまったく無心に信濃川の土手を走っている。

どちらかと言えば、こうした時間の方が人間らしいかもしれない。

 


小休止していたら散歩中のワンコが寄ってきた。離れたくないって踏ん張っている。カワイイ。

誰もいない。行き交う人は誰もいない。一人の世界。自由の世界。


どこまでも続く道。どこへ行くにも自分次第。

働きすぎだよ日本人。働き方改革だとか言うけれど、こうして別世界の時間を過ごさなきゃだめでしょう。


信濃川から小阿賀野川へ分かれる。雲は多いものの、いくらか青空が見えてきた。

路面に大きく「小阿賀野川サイクリングロード」とペイントされている。

細い川に沿って自転車道が整備されている。


こちらの路面もとてもきれいだ。走りやすく、休憩所が適度に設けられている。

ロードに乗った若い女性が、音楽を鳴らしながら目の前を走り抜けていった。

のんびり走って、ゆっくり休んで、「能代川りんりんロード」に分岐する。こちらもきれいな路面だ。

やっぱりここも誰もいない。見渡す限り、前も後ろも人の姿は見えない。

真っすぐに続く道の両脇に、すすきの穂が秋景色を物語る。
 


気が付くと前方に地元の子どもだろうか、二人で楽しそうに走っている。

こんな素敵な道をいつでも走れてホントうらやましい。

スピードが違いすぎて、すぐに追いついてしまうので、わざとゆっくりこの二人を後ろから眺めていた。
 


さて、本日のメインイベントはランチタイムだ。

ようやく素敵な休憩所に出会い、クッキングタイムの開始だ。

今回、クラブランに備えて用意した具材の数々。
 


最近、ランチタイムのブームは「棒ラーメン」

こんな本まで発売され、豊富なレシピの中から選んだのが「いか天ラーメン」だ。


いか
天スナックを投入すれば完成という簡単なメニュー。

さらに、餅や、ネギ、にんにく、ラーメン具材を追加すれば豪華な一品が出来上がる。
 


こんな感じで出来上がり。フーフーハーハー言いながらいただく。

といか天の組み合わせがいいですねぇ。濃厚なスープがこれまたうまい。


あまりにおいしくて2杯目突入。

食後のコーヒーでお腹いっぱい、大満足のランチタイムでした。
 


青空も見えてきて、お腹も満たされご機嫌な午後のポタリング。

残りの距離と時間からペース配分を考える。

こんな素敵な自転車道、誰も利用しないんだからもったいない。
 


自転車道の終点は城跡公園だ。
廃線となった蒲原鉄道の車両が展示されている。

静かで雰囲気のいい公園だ。時間もあることだし、ここで最後の一服、コーヒータイム。
 


いいポタリングだ。
結構走ったけど、疲れはほとんどない。

川沿いだけど、意外と変化のあるコースだ。そして時間に余裕がある。

そろそろ影が長くなってきた。そして気温も下がり始めた。
 


阿賀野川へ出る。さすがに大きな川だ。この辺りは台風の被害は見られない。

17時を過ぎると周囲はかなり暗くなってくる。
LEDライトを点灯し、国道を行く。


最後に現れた五十島トンネルが長かった。全長1070m。

トンネル横の迂回路を行くつもりだったが、なんと通行止めで行かれない。


トンネル内は 交通量がかなりあるが、歩道が狭いので車道を走るしかない。

テールライトがないとかなり危険だ。

轟音に震えながら、なんとか走り切った。
 


17:20 ほぼ予定通り宿に到着。ひっそりとした静かな宿だ。

玄関の中に自転車を入れさせてもらう。


今日は宿泊客も
少なく、静かな夜となった。部屋食でゆっくりとくつろぐ。

心配していた腰痛も解消。明日の天気も問題なし。


今日はポタリングとはいえ、結構充実した一日だった。

さあ、明日はクラブランの集合日だ。
 

 

(2019/11/2 走行)


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