峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2019 > 修那羅峠・三和峠




旅はプランニングから始まる。
コースが決まれば5万図の用意だ。古い地図を買い替えに地図センターへ。

いちいち用紙に書くのも面倒なので、これくださいと赤ペンで囲った紙を渡した。枚数が多い時はこれが便利だ。
 



時代は平成から令和へと変わった。

ゴールデンウィーク10連休の前半は天気に恵まれなかったが、後半は快晴に恵まれた。


令和初のツーリングは、いつもの仲間4名で北アルプスの絶景を見に行くことになった。

先週青森を走ってきたばかりなのに、今度は信州とは贅沢なゴールデンウィークだ。

6:44発 あさま651号で上田駅まで輪行する。
 

 


上田まではあっという間だ。

昔は、この辺りは上野から夜行で行ったものだ。

左の写真は、1975年11月の 上野駅。

上田から鳥居峠、車坂峠を越えて小諸へ下った。

信州は結構遠く、気楽に行ける所ではなかった。

今や、東京駅から1時間20分で着いてしまう。

下手すれば、通勤も可能なほど近く身近になった。

便利になったのか、それとも旅情がなくなったのか・・・

 

 


賑やかな駅前で組み立てる。最高、快晴の天気の中を走り出す。

二泊三日というツーリングのため、食料をはじめ装備がとにかく重い。

交通量の多い国道を避け、裏道を辿って修那羅峠を目指す。

 


仕事疲れと睡眠不足が重なって、勤労者のメンバーは足取りが重い。

休養たっぷりのメンバーでも、この初日は何かと調子が出ない。

上田電鉄沿いに走っていたら少々遠回りになってしまって、まじめに峠を目指す。
 


風が全くなく穏やかな初日だ。前回の青森ツーリングとは別世界のような快適さだ。

やがて目の前には信州の景色が広がり始めた。


穏やかな
眺めだ。広々とした田園地帯に、緩やかな山並みが遠く広がる。

一直線の田んぼ道をのんびりペダルを回す。絵になる景色があり過ぎて止まってばかりだ。
 


次第に登りがきつくなる。いつもより重い自転車に皆ペースも上がらない。

標高700m付近では桜が見事に咲き誇っている。今年は何度も桜を見れて本当に幸せだ。

東京の桜も、青森の桜も、そして信州の桜もすべて素晴らしい。GWのツーリングに やっぱり桜は欠かせない。


4人ぐらいで走るのがちょうどいい。

おしゃべりしながら、笑いながら、のんびりゆっくり走る。ツーリングの世界はこうでなくっちゃ。

 


修那羅峠まではほとんど登りっぱなしだ。次第に脚も弱ってくる。そしてお腹が空いてきた。

新幹線での軽い朝食ではすでにエネルギー不足になってきた。


まだ
まだ先は長く、できれば峠でランチにしたいと頑張って登る。

ようやく修那羅峠のピークへ。もう、歩いてゴールだ。疲れた・・・
 


その先に「修那羅石仏」の入口がある。鳥居をくぐって山道を押していく。

雰囲気のいい峠路だが、かなりきつい勾配だ。徒歩でも苦しいほどの坂を押し上げる。


ちょうど
いい所に絶好の東屋が・・・ 石仏までもう少しだが、もう糖分不足で限界。

ちょうどお昼の時間なので、迷うことなくここでランチタイムとすることに。
 


棒ラーメンを中心に、各自様々な具材を持ってきているので、とても豪華なラーメンが出来上がり。

食料調達が難しそうというエリアなので、豊富な食料を持っている。


各自
ご自慢の調理を披露しあって、お腹いっぱいの楽しいランチタイムとなった。

食後、再びきつい登りが待っている。なんとか踏ん張ってようやく石仏のある安宮神社に出る。
 


ここへ来るのは二度目だ。修那羅峠の石仏は強烈な印象しか残ってない。

神社の境内や裏山に、808基もの石神仏、石造物が祀られている。


一つ一つの石仏の表情が豊かで、まるで何かを語りかけているような気がしてくる。

不思議な空間、不思議な時を楽しめる異次元の世界だ。こんな峠は他にはない。

 

地元筑北村の広報では、『この末社のほとんどが作者不明ではありますが、素朴な感を呈し、且つ力強い表現は全国に比類なく、更に自然に相溶けあった美しさは、参拝客の心を和ませてくれます。』と書かれている。

 

修那羅山安宮神社石神仏群ガイドマップ(PDF)

http://chikuhoku.jp/wp/wp-content/uploads/2016/03/syunara_guide_omote.pdf

http://chikuhoku.jp/wp/wp-content/uploads/2016/03/syunara_guide_ura.pdf
 

 


 


修那羅峠の石仏を後にする。

一気に篠ノ井線まで400mの下りだ。午後は再び厳しい登り返しが待っている。


前半
での体力消耗の影響で、登りに入るとすぐにペースダウン。

直線的な登りにうんざりしながら、じりじりと高度を稼ぐ。

新調したガーミンが、本日の残り総上昇量を教えてくれるが、うわぁ、まだそんなに登らないといけないのか・・・
 


福満寺へ分岐する。

一気に勾配もきつくなり、もうほとんど乗ることはできない。(誰かさんを除いて・・・)


人間
技とは思えぬパワーの持ち主”キング”は、こんな坂 もなんてことはない。

自分たちがハーハーゼイゼイ喘いでいる中、平気な顔してぐいぐい登っていく。


一体、この人の体はどんな構造になっているのか・・・何年つき合っていてもいまだによくわからない。

とにかくすごいパワー、すごい脚力だ。

先に上まで行って、嫌味でまた下ってくるんだから・・・もう参りました、降参です。


 


福満寺からは、やっと勾配も緩くなり乗車できるようになった。

しかし、もう体力の限界でペダルを漕ぐ力もやっとだ。


標高も900mを越えてきたが、まだ残500m以上残っている。初日としては相当厳しい一日になった。

路面はスリップ防止のゴツゴツとした石畳舗装になった。よっぽど勾配がきついということだ。

もう、押すのさえ辛い。こんな道も当然”キング”は軽く登って行ってしまいました・・・もう驚かなくなった。

せっかく登ったのに、下ってすずらん湖に到着。ようやくゴールに近づいてホッとする。

日も長くなり、今日はまだ時間に余裕があるので安心だ。これが晩秋のツーリングだったら、もっと焦っていたかもしれない。


すずらん
は静かで小さな池のようだ。車が1台止まっていて、デイキャンプしている。

三和峠へ再度登り返す。


約100mの登りだが、終盤の100mはかなりきつい。

当然弱った面々は押しの一手。そこにパワフル”キング”のパワハラ走りだ!


「すーぐそこ、すーぐそこ」と言いながら下ってきてはUターンして追い越していく・・・

このエネルギー、なにか有効に使う方法はないものだろうか・・・

 


16:15 標高1200m 三和峠に到着。

ランドナー4台をきれいに並べて記念撮影だ。それぞれのフレームカラーと革サドルがいい味を出している。

やっぱり、峠にはランドナーだよね!
 


さて、いよいよゴールまであとわずか。ここまでよく登ってきた。

最後は宿に向かって残った力で倒れこむように到着。いやぁ、厳しい一日でした。
 


いつものゴールと違って、衰弱メンバーは元気がない。
疲れと今日のハードな登りでかなりグロッキーな様子。

ビールジョッキが重そうだ・・・いまいち元気がないぞ・・・明日は大丈夫かぁ?

というわけで、一つも疲れを見せない”キング”とヘロヘロ組の夜は更けていった・・・
 

 


 

(2019/5/4 走行)


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