峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2018 > 三島・狩野川・冷川峠



今回はこの2冊を参考に、2泊3日の伊豆の旅を計画してみた。

初日は、三島から狩野川沿いに走って大室山へ。

二日目は、サイクルトレインで下田へ移動して土肥温泉へ。

三日目は、西伊豆の海岸を走って駿河湾沿いに新富士までのツーリングだ。

さてさて、いったいどんな旅になるのだろうか。

静岡は、海あり山あり、峠あり、そして東京から近いと好条件が揃ったエリア。

輪行でも、カーサイでもほんのわずかの時間で行けてしまうエリアだ。

逆に、便利すぎてこれまであまり訪れることが少なかった地域でもある。

この時期、ちょっと山岳地方へ行くと思わぬ雪に見舞われることもある。

ここ静岡ならその心配はいらないだろう。


早朝の三島駅に降り立つ。駅のホームからは冠雪の富士山がよく見える。

通勤・通学の時間帯で、組み立てていると次々と学生が目の前を通り過ぎる。

そんな中、一生懸命市長選のビラを配っている青いジャンパーを着たおじさんと話し込む。


「自転車で旅行ですか? いいですね〜」

「私もこんな人生の予定じゃなかったんですけど、なんで選挙の応援してんだかなぁ・・・」

「カミさんももう呆れてますよ。いいなぁ、自転車旅って・・・最高ですね」


なんだか、立候補している若手に熱を入れちゃって、自費で応援しているそうで・・・

どうなりましたかね、市長選・・・当選しているといいんですけど。

三島という街、まったく知識もなかった。

新幹線でも常に通過してしまう街だし、ツーリングの対象でもなかった。


「水の都」といわれる三島の街を辿る。

三嶋大社へ立ち寄った後、「水辺の文学碑」をのんびり進むと、桜川のカモと文学碑が出迎えてくれる。

実にのんびりと、ゆったりとした散策路だ。思わず心豊かになるひと時だ。


三島の湧水

三島の湧水は、三島溶岩流の先端下から湧きでた富士山の被圧伏流水(上下を不透水層で羨まれた帯水層を満たしている地下水。)と考えられています。 

湧水は楽寿園の小浜ヶ池、白滝公園、菰池などから湧き出しています。

昭和30年代頃までの湧水の総量は、増水期に夏季で約40数万トン/日、減水期の冬季は約20数万トン/日あり、水温は年間を通じておよそ15℃でした。

湧き出た水は、小浜ヶ池をはじめ菰池、白滝公園などの主要な湧水源から流れ出て源兵衛川や桜川、蓮沼川などの川となって市街地や中郷地区の水田を潤していました。

地下水の汲み上げや道路の舗装化、宅地開発など様々な原因で、昭和37年頃から湧水の量は減少しましたが、今日でも美しい水の流れが街中をうるおし、初夏から秋にかけての最盛期には小浜ヶ池、菰池、白滝公園等に湧水が湧き出でる光景を見ることができます。

http://www.mishima-kankou.com/msg/midokoro/10000002.html


白滝公園から源兵衛川へ。

明るい日差しと、豊かな湧水の散歩道にたまらず誘われる。

初夏の夜にはホタルが舞うというほどの美しい流れだ。

自転車を置いて飛び石を歩いてみる。

どこまでも歩いていきたくなるほど気持ちのいい「せせらぎ散歩」だ。


なんて豊かな水に囲まれた街なのだろうと思った。

都会ではありえないような豊かな時間が流れている。

三島の街を抜け、柿田川公園から狩野川へ出る。

平日の狩野川は貸し切り状態だ。振り返れば富士の姿がよく見える。

快晴無風の中、路面の状態もいいので最高の気分だ。

本日のコース前半は平坦なので、のんびりとポタリングだ。

景色がよく、ポカポカ陽気でなかなかペースが上がらない。

城山を過ぎ、さて今日のランチはどこで何をいただこうか、と考える。

コンビニを見つけ、禁断のローソンホルモン焼きと、カット野菜を手に入れてしまった。

こいつがあると、いつまでもグツグツと鍋を楽しむことができる。


眺めのいい公園でさっそく開始。

BluetoothスピーカーからスマホのBGMを流しながら、ランチタイムを満喫する。

いいですねぇ〜、こうしたのんびりタイム。


満腹の後は、しばらく交通量の多い中を走らなければならない。

土手沿いから修善寺駅方面へ分岐すると、交通量が激増する。

静寂の世界から、一気に騒音の世界に引きずり込まれる。

道幅も狭く、大型車に追い抜かれるとヒヤヒヤものだ。


道は緩く登りはじめ、冷川峠へと左に分岐する。

ようやく車から解放されると、再び静寂の世界が戻ってくる。


走りやすい峠道を一人静かに登り詰める。

峠の標高は360mほどなので、ほどなく伊東市の標識が現れ、左カーブの先に峠が見えてくる。


峠には何もなく殺風景で、ただ坂の頂上といった感じだ。

その先に「冷川峠 Hiekawa Pass」の大きな標識が建っていた。

わざわざこの峠を越える車もいなく、本当に無人地帯だ。

先ほどまでの車の多さが信じられないぐらいだ。


さて、本日もう一つの目的、大室山へ向かう。

山頂からの大パノラマを堪能したいと思っていた。

山頂へのリフトの営業終了が早いため、峠を下った後、気合を入れて登り返さなければいけない。


標高差320m。時間に追われてのヒルクライムは辛い。

そしてなんとういう勾配のキツさだ。


大室山を真横に登っていくが、今にも止まりそうなスピードだ。

降りて押したいところだが、リフトに乗るにはなんとしても先を急がなければ・・・

もう、足腰ヘロヘロになってようやくリフト乗り場に到着。

すぐにリフトに乗って空中散歩へ。みるみる遠ざかる下界の景色。

残念ながら薄雲が広がってしまって、大パノラマはお目にかかれない。


リフトを降りる手前で「はいチーズ!」の案内とともに、カメラロボットがパシャと写真撮影。

リフトを降りると、すぐに写真を持ったお姉さんが近寄ってきて、「記念にいかがですかぁ〜」と写真を見せてくれる。

買っちゃいますよね、これ。うまい商売だこと。

山頂をぐるりと一周する。

帰りの最終リフトの時間が迫っているのでのんびりできない。

足早に歩けばあっという間に戻ってこれる。


しかし残念だ。何もかも霞んでしまって何も見えない。視界がよければどれだけの絶景を拝めるのだろうか?

やはり午前中に来なければだめだな、こういう所は。


観光客の方に写真を撮ってもらって再びリフト乗り場へ。

山頂にいたスタッフも次々下山。へたすると山頂に取り残されるね・・・

さあ、本日もフィナーレへ。

下った先が本日の宿なので、もう余裕だ。

別荘地、ペンション街を急降下していくと、かんぽの宿に到着だ。


この時期は日没も早く、暗くなる前に宿に到着出来てゆっくりできる。

自転車の利用客が多いのだろう、宿には自転車専用の部屋とサイクルラックが用意されていた。別荘地の

前半はのんびりポタリング、後半は激坂のヒルクライムと変化に激しい一日だった。

おいしいビールと料理をいただきながら、明日の予定を確認する。

なかなかいいじゃないですか、狩野川ツーリング。

 



距離: 57.9 km
所要時間: 8 時間 37 分 9 秒
平均速度: 毎時 6.7 km
最小標高: 5 m
最大標高: 408 m
累積標高(登り): 747 m
累積標高(下り): 655 m

(2018/11/28 走行)


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