峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2017 > 多摩丘陵・里道巡り



今回は、「東京周辺自転車散歩(山と渓谷社)」の本から、

「22 多摩丘陵・里道巡り」のコースを走ってみることにした。


例年ならそろそろ梅雨入りする頃なのだが、今年は6月になってもその気配は全くなく、爽やかな日が続いている。

日曜日の午前中、車に自転車を積み込んで町田の野津田公園へ向かう。


とっても大きな公園で、陸上競技場をはじめ、様々な設備が揃う総合公園だ。

競技中の歓声を聞きながら、駐車場脇の遊歩道を適当に進む。

広々とした園内に人影はほとんどなく、のんびりと緑の中を行く。

都内の公園なら家族連れで大賑わいだが、ここはまったく別世界だ。贅沢な広さ、緑の空間が広がっている。


公園を抜け、コースガイトと同じルートを辿る。

別所の交差点手前から細い道へ入ると、すぐに里山の風景が目の前に広がってくる。

車の音が聞こえなくなると、ここは果たしてどこなのか? と錯覚に陥る。竹林に囲まれた細い道が、目の前に細く続く。

驚きだ。車道から一歩外れると、これほどの風景が広がるのかと。


しかし、スタートしてまだほんのわずかだが、かなりアップダウンが激しい。

多摩の丘陵地帯、名前は素敵だが自転車で走るとなると結構辛い。


平らな所があまりない。常に登ったり下ったり、ブレーキングしたり、ギヤチェンジしたりと忙しい。

まあ、それでも雰囲気はなかなかいいので救われる。

自宅から1時間少々でこれだけのツーリング気分に浸れるとは思っていなかった。


誰もいない山里の小道かと思っていたら、小高い丘の上のお墓では法事の方々がお線香をあげている。

ちょっとタイミングが悪かったが、通り過ぎる自転車に少々驚いて道をあけてくれた。

一本杉公園に入る。日曜日だというのにほとんど誰もいない。

綺麗に清掃された園内は気持ちよく、緑の中をのんびりと走り抜ける。


「多摩よこやまの道」と記された素敵な案内がある。

「横たわる美しき尾根のシルエット」「はるかな都へ横山の尾根道」 「万葉のロマン 防人・見返りの峠道」「多摩丘陵〜里山の自然」

案内を読んでいるだけでゆっくり歩いてみたくなるような内容だ。

多摩ニュータウン、落合団地を抜けて多摩センターへ向かう。

1970年代に開発された多摩ニュータウンも、現在いろいろな問題が話題となっている。老朽化や高齢化、そして坂の多さだ。

このエリアを自転車で走るのは初めてだが、やはりその坂の多さを痛切に感じる。


生活に自転車は欠かせないが、平らな場所が少なく常に登り下りの連続だ。

電動自転車なら楽だろうと思うが、押さねばならない団地内の急坂などは、重量のある電動自転車では逆効果だ。

ちょうど買い物帰りの主婦とすれ違ったが、荷物満載の自転車を押して登る姿は、ちょっとした山岳サイクリング並みに見えた。

多摩センターはキティちゃんの街だ。サンリオピューロランドへ至るストリートは多くの家族連れで賑わっている。

パルテノン多摩から多摩中央公園、鶴牧西公園と素敵な小道が続く。

唐木田駅を過ぎると静かできれいな住宅街に入る。石畳を多く配した生活道は細いタイヤの自転車では走りにくい。

やはり生活の基盤はすべて車になっているようだ。


長池公園で小休止。こうした素敵な公園が至る所にあるのが多摩エリアの魅力だ。

ここの公園も素晴らしい。ゆっくり散策するだけでいい運動になるし、心も癒される。ドラマの撮影も多いらしい。


本日のランチはこれ、築地銀だこ。先日もらった引換券を使おうと南大沢駅の銀だこさんへ。

人気ですね〜。常に2、3人並んでいるし、店内で食べている人も多い。

「新作 青じそ おろし ポン酢 期間限定 贅沢ねぎだこシリーズ」を注文し、公園のベンチでいただく。

銀だこさん、以前から美味しくて大好きでしたが、この新作は、もうたこ焼きの常識を覆す絶品ですね。うますぎ〜でした。

さて、後半はいよいよ期待の「戦車道路」です。

小山内裏公園内を行くこの戦車道路は、その昔戦車の走行テストをするために作られた道らしい。

今はとても素敵な憩いの場所となっていて、多くの方が自転車や、散歩で楽しんでいる。

現在は尾根緑道と呼ばれ、相模原方面の視界が大きく望める。丹沢の山並みも展望広場からはよく見える。


綺麗な路面と、十分な道幅は快走するのに最適だ。

せっかくだから、コースの端から端まで往復する。

なんだろう、こんな自転車道って他にないよね、って感じの尾根緑道だ。

いいところだ。素晴らしい。贅沢だし、ゆとりがある。

素敵な尾根緑道もすぐに終わってしまう。

その先は住宅街を縫って走る、これまた気分のいい緑道が続く。


完全に車道と分離された遊歩道は、散歩する人や自転車にとっての専用道だ。

お洒落な住宅街はまるで別荘地のような雰囲気さえ漂う。

綺麗な街づくり、人と自然の調和がうまくまとめられている感じが伝わってくる。

ぐるりと周回して野津田公園へ戻ってきた。最後はやっぱり厳しいヒルクライムだ。

短時間のショートコースだったが、中身は非常に濃い。

ここは、MTBの太いタイヤで、低いギヤをクルクル回しながら、のんびり走るのが良さそうだと思った。

多摩丘陵、なかなか楽しめる所だ。見どころも沢山ある。気に入った。

距離: 30.4 km
所要時間: 3 時間 5 分 44 秒
平均速度: 毎時 9.8 km
最小標高: 60 m
最大標高: 176 m
累積標高(登り): 388 m
累積標高(下り): 399 m

(2017/6/11 走行)


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