峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2017 > 小岩井・盛岡サイクリングロード



雲ひとつない、文句なしの快晴。

久しぶりにこの言葉にふさわしいほどの青空に恵まれた。
 

素晴らしい朝になった。こんな好天があるんだ、というぐらい穏やかで、爽やかで、そして澄んだ青空と空気が迎えてくれた。

宿の目の前には岩手山が、どうだとばかりに聳え立っている。

見事な眺め、迫力、そして美しさ。本当に綺麗だ。言葉を失うほどの美しさだ。


雪解けの東北地方はこんな景色が待っていてくれたのか。

これまで、この時期に東北地方を訪れたことがなかったので、目の前の眺めにただただ感動するばかり。

 

早朝の御所湖。どこへ行っても誰もいない。

ひっそりと静まり返る湖面に水鳥が戯れる。なんて豊かで、穏やかな光景なのだろう。

自然の豊かさ、美しさ、素晴らしさ。なかなかこれほど綺麗な所にはお目にかかれない。
 

次から次へと変化する、この大パノラマも自分一人のもの。

もう、いくら時間があっても足りないぐらい撮影ポイントが目の前に広がる。

盛岡、こんなにすごいんだぁ・・・知らなかったぁ・・・岩手山、なんてきれいなんだろう・・・

宿を出発してすぐにこの絶景の連続。

もう、参りましたというぐらい美しい景色の中、ゆっくりと小岩井農場を目指す。

進まない。全然先へ進まない。いや、進めない。

進んではもったいないぐらい素晴らしい景色の連続だ。

農家の庭先に素敵な桜の木が一本。かなり傾いているが、岩手山をバックになんともまあ、素晴らしい構図。

岩手山を目の前に、まだまだこの辺りは寒いのだろう。ほとんどがつぼみのままだ。

畑の中を少々お邪魔して写真を撮らせてもらう。もう、こんなことの連続。

農道を適当に進めば、また違った景色に出会える。

まっすぐに伸びる一本道。絵画のように美しい、目の前に広がる雄大な景色。

ここはどこなんだろう? 北海道? それとも北アルプス? そんな錯覚を感じさせるほどスケールの大きい眺めだ。

御所湖といい、小岩井農場への道といい、きれいに舗装された平坦な道は、ポタリングには最高だ。


広域農道を右へ行くと、小岩井農場の一本桜が現れる。

広大な敷地に、岩手山を背景に根を張る一本桜。 残念なことに、まだ桜はつぼみで咲いてない。

それでも、こんな素敵な構図を目の前にすると、思わず何度も何度もシャッターを押してしまう。

その先に、小岩井乳業の工場があり、見学ができるとの案内が表示されている。

今日は時間もあるし、工場見学は大好きだからちょっと寄ってみますか。

今年の見学シーズンが始まったばかりで、駐車場も空いている。


特に案内してくれる人がいるわけではなく、自由に中に入って見てまわるようだ。

入口で名前を書くのだが、本日5番目の見学。他の4組は、岩手、青森の方であった。

工場見学と言っても、期待するほど凄いものではない。

多少の生産工程を見学通路から眺められるが、時間によっては生産ラインが止まっている場合もある。

売店から見える岩手山がさらに大きく、そして美しい。

展示物を見学、売店の方とおしゃべりし、そしておいしい牛乳を味わってきた。

こうして工場見学をさせていただけると、やはり企業のブランドイメージはUPしますね。小岩井乳業、応援しますよ!


名物ソフトクリームは小岩井農場入口の売店で食べられると聞いて、さっそく行ってみる。

お金を入れて 食券のボタンを押すなり、お店のお姉さんが速攻でソフトクリームを作ってくれる。

食券を手渡すときはもう出来上がっているという手際の良さだ。

次々にお客さんがやってくる。いちいち注文を聞いていたのではたぶん間に合わないのだろう。とっても効率的だ。


小岩井農場まきば園は有料で、広大な敷地と自然の中で遊べるようになっている。

ちょっと覗いてみたいところだが、今回はソフトクリームだけで我慢しよう。

牛舎と放牧中の牛を眺めながら、再び御所湖まで気持ちよく下る。

ちょうどお腹も空いたころ。繁大橋を渡った所にある公園でランチタイムだ。

今日はセブンイレブンの 「もっちり麺 鍋焼きうどん」だ。さっそくG−ストーブを組み立てて温める。

こういう鍋を温めるときは、やはり重心が低いバーナーのほうが安心。


のんびり食事をしていると、突然後ろから声をかけられた。

「ス・ミ・マ・セ・ン シャシン・・・」と言って中年のカップルが無造作にスマホを差し出してきた。

なんだよ、人が飯食っている時に・・・もう・・・

靴も脱いじゃったし、シャツもベルトも緩めちゃったし・・・立ち上がるのさえ面倒なんですけど・・・


外人さんかぁ・・・じゃ、しかたないか。

観光客は大切ですよね、これからの日本。聞けばシンガポールから来たそうだ。

よくまあ、遠い国からここ東北の穴場まで来るものだ。満開の桜を見にきたのだろうか?

ここまで かなりゆっくりしちゃったし、さて本日も午後のメニューといたしますか。

満腹で心も満たされ、幸せな気分で左手に岩手山を眺めながら、湖岸を盛岡へ向かう。

雫石川に沿った静かな道をしばらく行き、川を渡って盛岡サイクリングロードに出る。


地元の人や、学生たちが賑やかに走っていく。

野球の練習帰りの学生や、家族連れ、お散歩するお年寄り。

岩手山がここからもよく見える。 なんてゆったりとした、穏やかな自転車道なのだろう。

こうした環境がすぐ近場にある盛岡、ますます気に入ってしまった。

市内に近づくと、至る所で桜は満開だ。

数キロしか違わないのに、小岩井農場付近とはずいぶん差があるものだ。

「盛岡矢巾自転車道ルートマップ」の案内によれば、御所湖から約30km、雫石川から北上川へと続いている。
 

北上川に合流すると、川沿いに桜並木が続く。

道幅も広く、橋の向こうに岩手山がよく見える。ここも、素敵な場所だ。

街の作りも、道路も、景色も、何もかもが雄大で広々している。余裕がある。

北上川を左に見ながら自転車道を南へ向かう。この土手沿いの道もなんて気持ちがいいのだろう。

本日の宿は市内なのでビジネスホテル。

面倒なことがなく、何もかも揃っていて一人で泊まるには本当に助かる。

さっそく風呂に入り汗を流す。

部屋の窓から外を眺めると、正面にきれいな夕日が飛び込んできた。

明日もまたいい天気になりそうだ。
 

夕食は併設されている居酒屋レストラン。工事関係者の方たちが続々やってきて、仕事の話に盛り上がる。

「ああ、北海道に帰りてーなぁー」「でも、年金だけじゃ食ってけねぇーしなぁー」なんて語っている。

皆さん、お疲れの様子だ。ご苦労様です。平日のビジネスホテルの夜はこんな感じなのだろう。

新聞やテレビでは岩手県内の桜の満開を賑やかに伝えている。

この二日間で訪れた所も紹介されている。今回は本当に素晴らしいタイミングでやってきたものだ。

今日は、晴天と絶景、そして桜に魅了された一日であった。

満点の出来でした!


距離: 56.3 km
所要時間: 8 時間 21 分 58 秒
平均速度: 毎時 6.7 km
最小標高: 113 m
最大標高: 315 m
累積標高(登り): 234 m
累積標高(下り): 303 m

(2017/4/24 走行)


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