峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2017 > 恋瀬川自転車道



かんぽの宿の朝食は豪華だ。

バイキング形式で、和洋いろいろ、腹ペコのサイクリストにはありがたい限りだ。

何と言ってもお目当ては、このしじみ汁。

何杯飲んでも飲み足らず、一人近いテーブルに陣取ってお代わり攻撃。いやぁ、疲れた内臓にシジミエキスが効くぅ〜。

ご飯もお代わり4杯。朝からこんなに食う奴は、サイクリストぐらいでしょうね。すごい食欲でした。

昨日の向かい風には参ったが、今日は穏やかだ。

朝からいい天気だ。のんびりと北浦右岸を走り出す。

この路面、空気圧高めのセッティングで、漕がなくてもどこまでも転がっていく軽快さ。

自転車って、騒音もなく、空気を汚すこともなく、なんてエコなんだろうとつくづく思う。
 

この時間から見かける人は、ほとんどが釣り人だ。

皆さん、仕事なのか? 趣味なのか? 

世の中にはいろんな人がいるなぁ、会社にいてはこんな光景を見ることもないだろうな、なんて思いながら進む。
 

今日も丸一日、自分の好きなように走れ、好きなように時を過ごせる贅沢さ。サラリーマンでは不可能なことばかりだ。

日本人は働き過ぎてきた。忙しすぎて、たっぷり時間を使うことを忘れてしまった。

穏やかな湖岸をのんびり走っていると、なんだかいろいろなことを考えざるをえない。

北浦から再び霞ヶ浦へ向かう。

西浦、天王崎公園。いいところですね。

広々とした公園。豊かな芝生のグラウンドで、お年寄りたちがゲートボールで賑わっている。

遠く続く青い湖面。その大きさ、美しさは瀬戸内海を思わせるような素敵な眺めだ。


西浦左岸の表示を見ながら、のんびりと北上する。

自転車道はきれいに整備されているが、路面に通行表示のペイントがやたら目立つ所がある。

たまに現れるのなら気にならないが、ブルーとオレンジの異様にでかいマークが10数mおきぐらいに現れる。

道路のペイントが気になって、せっかくの景色を台無しにする、センスの悪いペイントだ。

さらに、ペイントの厚みで段差ができるため、高圧のタイヤではそれなりに衝撃が伝わってくる。

なので、逆にペイントを避けて真ん中を走ることになるという、本末転倒の結果に。

色といい、デザインといい、大きさといい、都内の自転車ナビマークのほうがよっぽどいい。

そもそも、こんなペイントはこの道には不要でしょう。

しばらく行くと、高須埼公園。

大きな国定公園の案内板に、自分の名前が大きく書かれていて思わずびっくり。

今朝も宿を出てすぐのところに、同じ名前の会社や表札がたくさんあったので、この場所で再び驚いた。

茨城県にはこの名字が多いのかな?

いつかこの地名の由来をぜひ調べてみよう。

霞ヶ浦、西浦左岸もいよいよ終わり。そろそろ昼飯にしたいと場所探し。

今日は、のんびり鍋にしたいとコンビニで食料調達。

ちょうど恋瀬川の入口に静かな公園があって、誰もいないベンチに陣取ってランチタイムだ。

桜が咲いていればとっても素敵な公園なのだけど、ほんの薄っすら色づいたばかりで誰もいない。

来週になれば、この公園も花見客で賑わうことでしょうね。

まあ、静かにランチを楽しめただけでよしとしましょう。

恋瀬川サイクリングコースに入る。

といっても、橋の入り口は工事中で少々迂回させられ、土手をよじ登ることに。

目の前に現れた自転車道は、いかにも田舎の、ローカルな土手沿いの道だ。

道の細さに、この先ずっとつながっているんでしょうか? と心配になる。
 

周囲に視界を遮るものはほとんどなく、田園風景の先に筑波山の姿がよく見える。

路面は舗装されてはいるが、所々荒れていたり、凸凹があったりと気が抜けない。

この自転車道も、ほとんど誰にも会わない。

全く起伏はないが、刻々と変化する路面、周囲の状況が意外と楽しい。
 

後半、いきなり田園地帯から山岳?地帯に飛び込む。

急坂と峠越えらしい雰囲気が一瞬現れ、あっという間にダウンヒル。

なんだか、昔参加したサイクルオリエンテーリングみたいな、ワクワク、ドキドキ感がなかなかいい。

 

終点は石岡市中央公民館。

立派な建物と広い駐車場があり、ここを起点にするのもいいかもしれない。

楽しかった、霞ヶ浦、恋瀬川の自転車道も終わり、本日の宿、常磐線内原駅を目指す。
 

本日も約90kmの予定、あと25kmほど残っている。

この季節、日も長くなり5時を過ぎても明るいので余裕がある。

ここからは、一般道を得意のポタナビ裏道攻撃で行く。

交通量の多い道は避け、裏道、細い道、川沿いなどをつないで目的地方向へ進む。

距離は多少増えるが、車に邪魔されることなく、静かに自由に走れる。
 

地図を見ながらや、道を探しながらではできない、ナビの得意とする走り方だ。

進行方向を示す矢印に従って、目の前に現れた分岐道を選択する。

右へ左へ曲がって行けば、そのうち目的地が近づいてくる。

余計な神経をつかわなくていい。到着時間も予想できる。一日の終盤にはこうした安心がありがたい。

予定通り、いつもの時間に宿に到着。

本日もよく走った。

本日の宿、内原鉱泉 湯泉荘。


なんだか、とってもレトロで趣のある和風旅館。

お庭が素晴らしい。

貸し切り風呂、そして部屋食。おもてなし。

なんとも言えぬ、贅沢な夜を過ごさせてもらった。

いい宿だ。


距離: 89.8 km
所要時間: 8 時間 31 分 7 秒
平均速度: 毎時 10.5 km
最小標高: -1 m
最大標高: 72 m
累積標高(登り): 219 m
累積標高(下り): 216 m

(2017/4/3 走行)


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