峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2015 >  答志島



この自転車旅行案内には、プランニングの際ずいぶんとお世話になった。

その中に、「鳥羽・答志島」の紹介があった。

高田健司氏の写真と文章にはいつも感銘を受けていたので、いつか機会があれば行ってみたいな、と思っていた。


「自転車旅行案内 ツーリングコースガイド1」より



若いころは、こうした島や船などより、よりダイナミックな峠やダウンヒルに憧れて、どうしても島巡りは後回しになってしまう。

時は過ぎ、この本も発売されてから20年になる。20年も歳をとると、ツーリングの興味も自ずと変わってくる。


あらためて読んでみると、もうだめだ、むずむずしてくる。島に行きたい。船に乗りたい。

島へ行くには、十分な時間の余裕がないと無理だ。そして島へ渡ったからには最低一泊はしたい。


日帰りで短時間の滞在では、島の本当の姿もわからない。だから、若いころじゃ無理なんだ。

50も過ぎ、お金と時間に多少余裕ができたらこういうツーリングもいいものだ。疲れ切って突っ走るツーリングとは世界が違う。
 



離島の朝は早い。

空が明るくなるころには、次々と漁に出た船が港に戻ってくる。

目の前の伊勢湾と、戻ってくる船を眺めていたら朝陽が昇ってきた。
 


絶景の朝風呂をいただく。全面ガラス張りで眺望抜群の展望風呂だ。

なんたって、貸し切りなので贅沢の極み。そして、朝からこの豪華な伊勢海老の味噌汁。

もう、なにもかも素晴らしい。文句なし。
 


宿から島の北端に行ってみる。小さなトンネルを抜けるとまた漁港が現れる。

道なりに行くと、大答志白浜海水浴場が見えてくる。
 


海が本当にきれいだ。透き通るような碧い海だ。

背後には山が迫り、海、山、岩と自然環境に恵まれた海水浴場だ。

しかし、さすがに早朝からこんな所に来る奴は誰もいない。しばらくはこの 素敵な海水浴場を独り占めだ。
 


ゆっくりとした時が流れる。忙しく動き回るものは何もない。

打ち寄せる波と、遠くの漁船だけが唯一動いて見える。
 


10月も半ばだが、今日は半袖でちょうどいい。 天日のしらす干しがおいしそうに輝いている。

爽やかな気候の中、「答志島スカイライン」へ向かう。
 


答志島スカイラインは、東西に島を横断する約6kmの県道だ。

和具から桃取漁港に向けて登り始める。


道はきれいな舗装路で、登るにつれて鳥羽湾の眺めが広がってくる。

「ゆっくり走ろう答志の道」の看板の通り、ゆっくり走らないとすぐに着いてしまう。

まったく誰にも会わず、車も通らない。静かなスカイラインからの眺めは瀬戸内海の島々のようだ。
 


最高標高は約90mぐらいだから、ちょっとしたヒルクライムで道は下り始める。

桃取漁港が近づくと道も広くなり、明るく雄大な海と空が出迎えてくれる。
 


乗船客は少ない。観光客は自分一人だ。

乗船券を買って、自転車を指定された場所に置く。

バイクと一緒にロープで固定されて、鳥羽まで10分少々の船旅だ。
 


あっという間に着いてしまうけれど、やっぱり船の旅は感動的だ。

しだいに小さくなっていく港、島。デッキから眺めているだけでドラマチックだ。

いい宿だった。そしていい島だった。やっぱり、離島旅はやめられない。
 


 

距離: 10.3 km
所要時間: 1 時間 31 分 22 秒
平均速度: 毎時 6.8 km
最小標高: 0 m
最大標高: 88 m
累積標高(登り): 121 m
累積標高(下り): 139 m

(2015/10/16 走行)


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