峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2012 > 十二峠・野沢温泉




紅葉クラブランからまだ2週間しか過ぎていないのに、今月もう一度ツーリングの機会を得た。

たぶん今年最後の紅葉になるだろうと、晩秋の新潟地方を計画した。


上越新幹線は空いていた。もう、観光シーズンも終わりなのだろう。

越後湯沢の駅に着いて驚いた。視界に入ってきた山にはすでに所々積雪がある・・・

すでにこの標高で積雪とは・・・ほくほく線経由で行く予定は中止。急遽低標高コースに変更だ。
 


本日の宿、野沢温泉まで53km。一日のんびり走るにはちょうどいい。

魚沼スカイラインはすでに積雪で閉鎖だ。のんきに紅葉を見に来たつもりだったが、すでに冬期に突入だ。


遠くの山はすでにかなりの雪化粧。

標高1000m以上では雪に阻まれるかもしれない。コース変更して正解だろう。


今回のツーリングは天気が冴えない。どんよりとした曇り空で、今にも降ってきそうな気配だ。

前回のツーリングとは打って変わって、厳しい条件のツーリングになりそうだ。


十二峠トンネルへの道はこれで3度目。いつも初夏に訪れているので、晩秋の景色は初めてだ。

登るにつれ、周囲はなかなかきれいな色づきに変わってくる。やっぱり来てよかった、と思う瞬間だ。
 


適度な勾配をゆっくり登り詰めると、長いスノーシェッドが現れる。

スノーシェッド内はカーブが続くきつい登りだ。車が後ろからなかなか追い抜けなくて困っている。


十二峠トンネルはやたら長い。直線なので出口が遥か彼方に小さく見えるのだが、なかなか近づかない。

車が来なければなんてことないが、1台でもトンネルに侵入してくるともう恐ろしい。


轟音が直前まで迫ってきて、自転車を見つけるとようやく減速する。

ここのトンネルは、前後のライト必携だ。

 


長かった。

無事にトンネルを抜けると、心の底からほっとする。こういうトンネルは好きではない。

歩道と照明がしっかり整備されていれば安心だが、この狭さと直線はなかなかの恐怖だ。

 


下った先のドライブインで休憩する。もうシーズン終了で、店も閉まっていて誰もいない。

缶詰と温かい飲み物で一服。


今回初登場のモンベル・サーモタンブラーがいい。

蓋つき二重構造で冷めないし、持った質感が素晴らしい。気に入った。
 


今日は、ほくほく線に乗って、東頚城地方の晩秋を楽しみながら走ろうと思っていた。

いつのニューサイだっただろうか、晩秋の絶景を楽しめる広場が紹介されていた。

正確な場所が分からず、この辺りであろうという思いで出かけてきたが、今回は残念ながら計画変更だ。
 


とうとう降ってきた。冴えない空模様の中、飯山線を目指して下る。

小さなバス停があった。全く車も通らず、人の姿も見えない。
 


寒くて缶コーヒーで暖を取る。

越後田沢駅付近のコンビニで、食料を調達する。
 

雨も止んで、飯山線を見下ろせるちょっとした場所があったので、ここに陣取ってランチタイムだ。

展望はわずかしかない。

トンネルに差し掛かる飯山線が、汽笛を鳴らしながら走っていく姿を眺めながらくつろぐ。

 

雨は降ったりやんだりと、ずっと雨具を脱げない。

まあ風もないので、たまにはこんなしっとりとした走りもいいか、と諦めるしかない。


国道を避け、足滝駅への裏道を行く。その途中、山の中に突然現れた「黒い人々」に驚いた。

皆同じ方向を向いて直立している。大人も子供も・・・なんだこれ?


そのシルエットがあまりに超越しすぎていて、何を意味しているのか全く分からなかった。

きっと何かのイベントか、町おこしなのだろうが、何も解説も案内もないので、ただただ不気味であった。
 


15:20 残り25km。なんとか暗くなる前には宿に着きたい。

ここからは登り基調だ。意外と時間がかかり、すでにすっかり暗くなってきてしまっていた。


宿までの道のりは結構大変だった。

17:00 野沢温泉への分岐を左に入る頃には、周囲はすっかり真っ暗になっていた。


強烈な勾配でいきなり押しの状態。暗闇で小雨が降る中、雨具を着ての登りは最悪だ。

最後の気合で温泉街に近づくが、周囲が暗くてさっぱりわからない。


宿がどこにあるのか、頼りはナビだけだ。画面の明るさがひときわ目立つ。

少々迷ったが、なんとか無事宿に到着。もう、体はドロドロ状態だった。


ずっと雨の中にいたので、何もかも濡れている。まずは全身、全装備の乾燥だ。

部屋中に広げ、衣類も靴もすべて乾かす。久しぶりだ、これだけ湿った一日も。
 


ようやく湿気から解放され、ゆっくりと夕食をいただく。

明日の天気も気になる。20万図を広げながら、いろいろと思案する。


部屋に戻ると、何もかも散らかり放題だ。再び飲みだして今日一日を振り返る。

まあいい、こうして旅に出られただけでも幸せだ。
 

 


 

距離: 67.2 km
所要時間: 8 時間 14 分 20 秒
平均速度: 毎時 8.2 km
最小標高: 186 m
最大標高: 538 m
累積標高(登り): 1310 m
累積標高(下り): 1140 m

(2012/11/17 走行)


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