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2011年9月8日(木)


長浜港の朝は、こんな賑やかな歓声で目覚めた。

なんの騒ぎかと見に行ってみると、ライフジャケットを着た子供たちで一杯だ。


ボートに乗って訓練?している様子だ。凄いな! 東京じゃこんなこと絶対に経験できない。

さすがに湖とともに暮らす人たちにとって、こうした訓練は生活の一部となっているに違いない。


毎日プランを考え、どこで食事し、どこで風呂に入り、そしてどこで寝るか・・・

これが楽しいのだけれど、さすがに連日この繰り返しで疲れてきた。

しっかりプランニングしてくればもう少し楽できるのだけれど、それもまたつまらない。


その日、その場で、その時の雰囲気で・・・これが未知なる旅の醍醐味。

毎日朝になると、車の中は散らかり放題だ。片付けて、片付けて、片付けて・・・その繰り返し。

不便、それがまた楽しいんですけどね。


この装備があれば、時間とお金があればずっと家に帰らず旅を続けることができる。

あぁ、いつかそんな時が来るかなぁ〜なんてふと思うことも。

さて、現実に戻って今日のコースを行きましょう。


まずは長浜城へ立ち寄る。公園内はとても広くて気持ちがいい。

昨日は彦根城を見学したので、今日は遠くから見るだけにした。


お城も見事で素晴らしいのだけれど、もっと驚いたのが公園内のネコちゃんたちだ。

あっちこっちにたくさんのネコたちが楽しそうに暮らしている。


さっそく猫使いのおじさんが本領発揮だ。

どんな猫も私の手にかかったらイチコロ。皆仲良くなってすぐにお友達になれる。

おかげで次々と自分に近づいてきて、こんな写真をたくさん撮れました。


ようやく猫たちから脱出して「黒壁スクエア」へ向かう。


黒壁スクエア

北国街道沿いに続く古い街並の一角にある総称「黒壁スクエア」。明治時代から黒壁銀行の愛称で親しまれた古い銀行を
改装した「黒壁ガラス館」を中心に、ガラスショップや工房、ギャラリー、体験教室、レストランやカフェなど魅力あふれるお店が、古い街並の中に点在しています。

https://www.kurokabe.co.jp/about_kurokabe/


古い街並みが続く、文化や伝統、そして新しいアートを楽しめる観光スポットだ。

ツーリングでなければ、ゆっくり散策したいところだ。


「鉄砲の里 国友」へ向かう。

国友町会館の前では、鯉に餌をあげる親子の姿がほほえましい。

その傍らには司馬遼太郎の「街道をゆく」の文学碑があり、次のように刻まれている。

「国友村は、湖の底のようにしずかな村だった。
家並みはさすがにりっぱで、どの家も伊吹山の霧で洗い続けているように清らかである。」

どんな町なのか全く知識がなかったが、こんな光景と文学碑から、とても心休まる町の感じがする。


鉄砲の里 国友

近江は、戦国時代、一帯が戦場となっていた地域であった。国友集落の北部を姉川が流れており、東へ約4km上流地点に戦国時代、姉川の戦いの地がある。その近江湖北の平野部に、国友の集落があり、戦国時代の戦い方を激変させた日本の鉄砲最大の生産地であった。

http://blog.livedoor.jp/beckykusamakura/archives/51550451.html



静かな町中に入ると、すぐに大きな屋敷跡が現れる。

国友一貫斎の屋敷跡

国友家は、戦国時代に国友で鉄砲生産が始まったころから鍛冶師の要職をつとめた家です。一貫斎は九代目藤兵衛として1778年に生まれました。江戸で西洋の文物にふれて科学性を磨き、帰郷後、鍛冶総代をつとめる中で発明を続け、「東洋のエジソン」と称されるほどです。一貫斎は秘伝とされていた鉄砲の製法を誰でも作れるように書物化したことや、自作の天体望遠鏡による太陽黒点の一年以上にわたる連続観測は画期的な業績です。

https://www.pref.shiga.lg.jp/site/kokoro/area_kohoku/details/a0872_details.html



屋敷の裏手には「読書をする少女」像が置かれている。少女の横には猫の姿も。

遠く空を見つめているような表情が何とも素敵だ。

ちょうどいい休憩場所なので、日陰で涼しみながら小休止。


どんな本かと覗いてみると、「夢」と「星」と書かれている。

そして「星を見つめる少年」の像もある。自作の反射望遠鏡を作ったというのだから凄い。


そしてこの商店。天文十三年創業って、いったいいつ?

ちゃんと営業している店のようだ。重厚な玄関と看板が歴史を感じさせる。

ちょっと覗いてみたいが、まさか何かを買うわけにもいかず、静かに立ち去った。


国友鉄砲ミュージアムを見学する。

まあ、時代劇に登場してくるような様々な銃が展示されていて、その形に驚かされる。


実物を持った時の衝撃は驚きだ。持つだけでも腰を抜かしそうな重さだ。

いやはや、こんな凄い物を作るのも大変だが、使うのも大変だ。昔の人は、とにかく凄すぎる。


国友の町で、たっぷりと歴史を学ばせてもらった。本当に静かで美しい景観が広がる町だった。

姉川へ出る。気持ちのいい川沿いの道が続いている。


セミがうるさいほど鳴いている中を、のんびりと走る。

「血原養水底樋跡」の碑が建っている。水争いで村人が戦った、らしい。


戦国時代に壮絶な戦いが繰り広げられた「姉川古戦場」。

今やまったく想像もできないほど穏やかな雰囲気だ。周辺には多くの史跡が残されている。


今日はすっかり観光の一日になってしまった。

まあ、せっかくここまで来たのだからいろいろと見ていきたい。


続いて訪れたのが、戦国の武将、石田三成が生まれた石田町にある「石田三成像」。

歴史好きの方なら、こうした史跡巡りは楽しくて仕方ないだろうな。


長浜駅まで戻ってきて、最後に「長浜鉄道スクエア」を見学する。

施設は、現存する日本最古の駅舎・旧長浜駅舎などから構成されている。


長浜の鉄道史や琵琶湖水運に関する資料、実際に北陸線を走った鉄道の車両が展示されている。

見学者は自分ひとりだけだったので、何だか調子もでない。

こういう所は、元気な子供たちと一緒に見て回ったほうが楽しいのだが・・・


走行距離20kmの、長浜観光を終えて車に戻ってきた。車に戻ってくると、一気に忙しくなる。

片付けて、車に全て積み込んで、翌日の予定を考えつつ、日帰り温泉を見つけ、どこで寝るかを考える。

何かが決まらないと動けない。もたもたしていると日没を迎えてしまう。


さあ、今夜はどうする?

明日は湖北だ。ということで北へ移動しよう。どこか、適当な公園があればそこで車中泊だ。

ということで見つけたのが「湖北みずどり公園駐車場」だ。


車道脇に静かな駐車場があり、目立たずゆっくりと夜を過ごせそうな感じだ。

今夜も、こんな感じでキャンプサイトが出来上がった。テレビを見ながらホルモン焼きを楽しむ。

毎日毎日こんな生活をしていて、ホント楽しいね。



参考資料

帰宅後、その昔ヒストリーチャンネルで放送していた「街道をゆく」から「第38回 近江散歩」を観た。

この2日間で訪れた辺りの内容が語られていて、実に参考になる。


「街道をゆく」が近江から始まったこと。琵琶湖にまつわる様々な話。

西の湖の観光船、国友町の鉄砲、姉川の合戦など、知らなかった内容が映像で紹介されている。


ぜひこの本も読んでみよう。もっともっと、近江の事が理解できるだろう。


司馬遼太郎『街道をゆく』
用語解説・詳細地図付き 近江散歩
 

「私はどうにも近江が好きである」と、『街道をゆく』シリーズで、すでに足を運んだ滋賀県を再訪した司馬さん。

彦根城や姉川の古戦場、安土城趾などをめぐる旅の合間に、安藤広重の浮世絵に描かれたままの、変わらないたたずまいのもぐさ店を見かけ、胸をなでおろします。

バブル経済を迎えようとする1980年代初頭の日本で繰り広げられていた乱開発。

その魔の手が、琵琶湖の水質汚染を招いていることを目にし、旅の終盤では日本の行く末を憂う言葉が散見されるようになります。

全文掲載。中高生から大人まで。


目次
 
近江の人/ 寝物語の里/ 伊吹のもぐさ/ 彦根へ/ 金阿弥/ 御家中/ 浅井長政の記/ 塗料をぬった伊吹山/ 姉川の岸/ 近江衆/ 国友鍛冶/ 安土城址と琵琶湖/ ケケス/ 浜の真砂



 

距離: 20.0 km
所要時間: 7 時間 0分 00 秒
平均速度: 毎時 2.8 km
最小標高:  86m
最大標高:  125m
累積標高(登り):  39m
累積標高(下り):  39m

(2011/9/8 走行)


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