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秋の紅葉・温泉1泊2日のツーリング。

今回は6名で、山梨県の十谷峠、奈良田温泉、丸山林道を周回してくる。


初日は道の駅からスタートして、十谷峠を越えて奈良田温泉に泊まる。(青コース)

二日目は、奈良田温泉から丸山林道を経由して道の駅に戻ってくる。(赤コース)


2009年11月23日(月)  奈良田温泉 〜 丸山林道 〜 道の駅しらね


二日目もまずまずの天気になった。昨日の疲労が残っているけれど、朝から食欲も十分。

昨日宿に着いた時は、真っ暗で何も見えなかったが、宿の前はこんな広い川原になっていた。


早朝の気持ちのいい空気の中、宿の前で記念撮影。

今日はスタートからいきなり登りだ。準備を整え、地図を確認して走り出す。


すぐ丸山林道への分岐が現れる。

なんだか天に向かって登っていくような、強烈な坂が視界に飛び込んでくる。

いきなり本気で登らないといけないが、朝食後すぐにこんな登りは体によくない。


奈良田温泉の上を通過するように、林道はUターンして登っていく。

かなりの勾配だ。乗るか押すか、ぎりぎり悩むぐらいの登りが続く。

あっという間に眼下に奈良田湖が見えてくる。そして徐々に周囲が白い靄で覆われ始めた。


朝の気温の変化で、急激に真っ白な世界に突入した。

突然の変化に驚くとともに、滅多に見れない幻想的なシーンが我々の前に広がった。

視界が遮られるほどの白さだ。南アルプスの山容も全く見えなくなってしまった。


標高はわずか1000m程だが、周囲の雰囲気はまるで2000m級の山にいるような感じだ。

やがて少しずつ靄が目の前から消え始めると、冠雪した南アルプスの頂が目の前に浮かび上がってきた。


凄い迫力だ。とにかく距離が近い。

まさかこんな感動的なシーンを、朝から味わえるとは思ってもみなかった。


雲の上にいるような、そんな眺めが広がる。

真っ青な空と、南アルプスの峰々。そして、雲海のように深く立ち込める朝靄。

あまりに感動的な眺めに、なかなか動くことができない。とにかく素晴らしい展望だ。


素晴らしい展望とは逆に、山側はかなり切り立った危険な斜面が続く。

幸い今日は落石などはないが、悪天候の後はかなり危険な林道のように思える。


標高1360m付近で一旦登りが終わる。しばらく足を休ませることができる。

それにしても素晴らしい山岳林道だ。


残雪が厳しい春先より、これから積雪を迎える秋のほうが走りやすいだろう。

そして晴天と澄んだ空気のおかげで、一段と山がシャープに見える。


とにかく絶景だ。刻々と変化していく朝靄が、まるで生き物のように動き、形を変えていく。

時間があれば、いつまでも座って眺めていたいほど魅力的な眺めだ。


最高に気持ちのいい晩秋のツーリングになった。

再び登りが始ると、富士山の姿が木々の隙間から見えるようになってくる。


展望の素晴らしさに辛さも忘れ、標高もいつの間にか1600mに近づいてくる。

さらに迫力を増した眺めが大きく広がってくる。


折り返す林道のバックに、富士の姿が見事だ。

すでに昼食の時間をかなり過ぎてしまったが、やはりピークを越えないと安心できない。

もう少し、もう少しと頑張っているうちに13:30になってしまった。


丸山の東側ピークを越え若干下ると、「林道 足訓峠線 終点」の分岐に出る。

ちょうどいい広場があったので、ようやくここでランチタイムだ。


もう、空腹で倒れそうなぐらい頑張って登ってきた。

ここまで来れれば、後はほとんど下りのみ。残りの予定を立てやすくなる。


暖かい日差しの中で、楽しいランチタイムを満喫。満腹になると、今度は一気に疲れと眠気が襲ってくる。

こんな最高の天気のもと、とにかくひっくり返りたくなる。


最高だぁ〜、腰を伸ばすとなんて気持ちがいいのだろう。

もし車でも走ってきたら、何かの事故かと思うぐらい異様なおじさんたちの姿だった。


日が傾き始めると、さすがにこの季節は寒くなってくる。しっかり防寒具を着こんで下り始める。

ダウンヒルのスケールももの凄い。一気に1400mも下れる、スーパーダウンヒルだ。

さあ楽しみ楽しみ・・・と下り始めてすぐにこんなゲートが現れた。


何か色々書いてあるが・・・読んでみると、「この先発破作業のため通行止め」らしい・・・

何ですって!発破作業といえばダイナマイト・・・でも今日は作業はお休みでしょうよ・・・

ということで、脇を通り抜けて下っていく。


気持ちよく下っていくと、右カーブの先に衝撃の光景が視界に飛び込んできた。

左カーブの道が、斜面の大崩落で完全に塞がってしまっている。

大量の土砂、岩石によって道は消えてしまい、ガードレールが道があったことを現わしている。


うわ!どうしよう・・・この土砂を乗り越えて下へ降りられるのか?

空身で偵察に行ってみるが表情は険しい。このルートでは無理なようだ。


あらためて周囲をよく見ると、なんとガードレール横から真下に降りられる階段を発見。

かなり強引に作った臨時の階段だが、これを使えば何とか下の道へ降りられる。

自転車がかなり邪魔だが、足元もしっかりしているし、ロープも用意されているので意外と簡単に降りられた。


助かった。この階段が無ければ相当苦労したことだろう。

全員無事に崩落を突破できて一息つく。これでもう後は本当に下るだけだろう。


と笑顔で話していたら、大事なボトルのコルクを紛失していることに気が付いた。

昼食の時にはあったから、この担ぎ降ろしでなくしまったようだ・・・当然探すことなんかできません。


少々時間をロスしてしまったが、それでも運がよかった。

ここで大幅に遅れていたら、ダウンヒルも真っ暗になっていただろう。


あらためて気持ちを落ち着かせ、ダウンヒルの準備に入る。

それにしてもいつまでも富士山の眺めが素晴らしい。


高速のダウンヒルの開始だ。冷たい空気と緊張感で身も引き締まる。

一瞬たりとも油断できない時間がしばらく続く。

九十九折れのダウンヒルは、上からずっとビデオで追うことができるので、次々と撮影する。


対向車も来ず、カーブも見通しがいいので気持ちのいいコーナーリングができる。

カーブを曲がるとすぐに直線のダウンヒルが待っている。なんていい下りなのだろう。

速い。路面もよく、ブレーキングも控えめに下れるのでいつもよりスピードが速い。


無理をすると危険なことは百も承知だ。それぞれの限界スピードで下っていく。

こういう下りでは、やはりブレーキが重要だ。ブレーキ音もなく、よく効くブレーキが最高だ。


豪快なダウンヒルを体いっぱい味わって、ようやく人里へ降りてきた。

一気に700mも下ると、さすがに緊張感も続かない。最後の富士山を拝みながら小休止だ。

明るいうちにここまで降りてこられれば安心だ。


市街地に入ってもまだまだ下れる。しばらくペダルを漕いでないぐらいずっと下りだ。

坪川大橋で輪行のメンバーとお別れだ。こんな所でお別れするのも寂しいものだ。

日が沈んできた。後はひたすら道の駅を目指して快走する。


ラストランにしては結構距離があった。無事に道の駅に戻ってきた。

あまりに内容が充実していたので、とても長い二日間に感じる程だった。

本当に、素晴らしいツーリングだった。次回がまた楽しみになってくる。


 

距離: 45.2 km
所要時間: 8 時間 05 分 00 秒
平均速度: 毎時 6.3 km
最小標高: 242 m
最大標高: 1715 m
累積標高(登り): 1119 m
累積標高(下り): 1616 m

(2009/11/23 走行)


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