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2007年11月18日(日)


今日も快晴の朝を迎えた。

昨日はよく飲んだ。それでもいつものように朝食はしっかりいただいた。


全く、サイクリストの胃袋はどうなっているのだろう? 恐ろしい食欲だ。

向かいのお店から自転車を引っ張り出して出発の準備。朝の温泉街はすでに活気づいている。


温泉街の朝は結構交通量がある。

仕事へ向かう人、業者の車、行き交う観光客などで結構車とすれ違う。


今日のコースはまずは沢渡まで下って、そこから暮坂峠を越えて車のデポ地まで戻る。

距離も標高差も手頃で、日没が早い晩秋のツーリングにはちょうどいい。


国道へ出て気持ちよく下る。綺麗な舗装路と、広々とした道がとにかく快適だ。

まだ若干の紅葉を楽しめるが、いよいよ山は冬支度の様相になってきた。


今日も青空が広がっている。連日の好天気に恵まれて気分は最高だ。

標高差200m程下って、下沢渡から暮坂峠方面へ分岐する。


沢渡大橋辺りから緩く登り始める。暮坂峠まで、距離14km、標高差600mだ。

ノンストップで行けば2時間程度だが、昼食を含めば3時間程度必要だろう。

まあ、今日は時間にかなり余裕があるので安心だ。


見通しのいいワインディングロードを行く面々。やはりこんな時は200mmの望遠が役に立つ。

たまに通り過ぎる車が気持ちよさそうにコーナーを駆け抜けていく。


ずらりと並んだランドナーとパスハンター。一台一台個性豊かで実に面白い。

フレームカラーもみな違うし、バッグもライトもバラエティに富んでいる。

見ているだけでいつまでも飽きない自転車。やっぱりツーリングにはこうした車種が一番似合う。


快調に標高を稼ぐ。風が少々出始め、落葉がヒラヒラと舞い落ちて来る。

もう、これで秋も終わりを感じさせる光景だ。


そろそろ12時になろうとしているが、昼食まではもう少し頑張って登る。

それにしても周囲は素晴らしい色合いだ。ちょっとポスターにでもしたくなるような景色だ。


ランドナーがこの景色に良く似合う。

伝統的なスタイルと見事なパーツが織りなす雰囲気はさすがだ。


昼食の場所を探していたら、何やら通行止めの林道が現れた。

ゲートを突破して奥まで行ってみると、なんともまあ素敵な広場があった。

今日はなかなか幸運だ。変なところで昼食にするより、静かでよっぽどいい。


今日もこんな食卓だ。最高ですね!このスタイルが我々には似合っている。

まだまだ時間に余裕があるから焦ることはない。じっくりランチタイムを楽しめる・・・はずだったのだが。

なんと、急に空模様が怪しくなってきた。さっきまでの青空が消え、なんと小雪が舞ってきた・・・そして、寒い。


おいおい、これからお楽しみが始まろうというのに、さすがに雨だけは勘弁してほしい・・・

一度荷物を広げてしまったら、そう簡単に片付けられない。


なんとか食事が終わるまで天気が崩れないで欲しいと願うが・・・ダメだ、降ってきた・・・

もうちょっとゆっくりしたかったのだが、さがに耐えられず、雨具を着て撤収となってしまった。


強制的に退去させられたような感じでちょっと不機嫌だ。

それでも満腹になったのでエネルギーも十分だ。しかし、まだ峠までは200m程登らないといけない。


おでんで満たされたお腹はなかなか厄介だ。厳しい勾配でお腹が苦しくなるばかり。

本当はもう少し休憩してから登りたかったが、この天気では仕方がない。


天気は大きく崩れることはなさそうだが、気温は下がり風が強くなってきた。

ハイキングコースの案内があるが、こんな天気では誰一人見かけることもない。


途中にいい水場があったので補充する。昼食で使い果たしてしまったので助かった。

さすがにここで飲む湧き水は、メチャクチャ冷たく、そして格別だった。


みぞれ混じりの天気になってきた。そして風が吹き、気温が一段と下がってきた。

登っているときはまだいいが、止まると一気に寒くなってくる。

ようやく暮坂峠が見えてきた。こんな天気の中だったので、結構峠まで待ち遠しかった。


峠はひっそりとしていた。車1台止まっていなく、人の姿も全く見えない。

止まるとすぐに防寒具を着こまないと寒くて仕方がない。

「暮坂峠頂上 標高1086m」と書いてある。いったい気温は何度まで下がっているのだろう?


茶屋の裏手に登ってみる。展望が広がってなかなか眺めがいいが、もう山は全て冬の装いだ。

峠には茶屋があり、ちゃんと営業している。寒すぎて、もうここに逃げ込むしかない。


本日はあと下ってゴールだから、ここで天気の回復を期待して、のんびりくつろぐことにした。

昨日から不安だらけのホイールを持って茶屋に突入。ここで修理しようという作戦だ。


突然のお客に驚くワンコ。二匹仲良く尻尾を振って我々を迎えてくれた。なんてカワイイのでしょう!

茶屋の中はストーブが焚かれて暖かく、冷え切った体も生き返る。


温かいコーヒーを頼んで、お店のおばちゃんと楽しい会話でくつろぐ。

持ち込んだホイールを良く調べてみる。どうやら不調の原因はタイヤ側にあったようだ。


タイヤサイドの劣化、ヒビ割れでパンクにつながったようだ。

さっそく、ゴムのり、ガムテープなどで補修する。もうゴールは近いけど、これでやっと安心かな?

峠の茶屋でタイヤを修理する人も初めてでしょうね。お店の人もワンコもさぞ驚いたことでしょう。


この寒い中、大好きなソフトクリームを注文し、ホイールの振れまでチェックする。

こうなったら徹底的に整備しておこうと、皆にあーだ、こーだと言われながらも手を止めない。

滅多にお目にかかれない、なかなか楽しいティータイム、そしてツーリング史に残る名演となりました。


外へ出るとすさまじい寒さ!強風に混じって雪が舞っている。

こんな中をダウンヒルしなければならないとは・・・なんだこの天気は? どーいうこと?

持っているものを全て着こみ、顔も全てを覆って下りだす。いやぁこんなの初めてだ。


楽しいダウンヒルが、寒さに震えながらの極寒ダウンヒルになった。

幸い小雪は峠付近だけで、すぐに小雨模様に変わってきた。それでも寒いことには変わりない。


危険な状況なので、スピードも控えめに下っていく。


好天だったらハイスピードダウンヒルになるのだが、この天気では無理はできない。


下るにつれ、やや天気も回復してくる。すこしばかり空が明るくなる時もある。

そんな貴重な瞬間を、見事なスピードでコーナーリングする姿を紹介しよう。


楽しかったツーリングもフィナーレに近づいてきた。

最後のダウンヒルは、路面も濡れていてスリリングな下りだった。


道の駅が見えてきた。車に戻れば今回のツーリングは終了となる。

あまりに楽しいと、最後はなんだか寂しくなってくる。もう終わっちゃうんだ・・・

無事に車に戻ってきた。なんだか遥か昔にやってきたようななつかしさだ。


そして締めは温泉で汗を流す。冷えた体には最高の「くつろぎのゆ」だ。

トラブルやアクシデントも多いけれど、いつもこうして無事に戻ってこれる。


さすがベテラン、重鎮の集まりだ。多くの経験と正確な判断がなせる技だろう。

皆さんお疲れさまでした! また次回行きましょうね!

 

 
距離: 31.7 km
所要時間: 3 時間 07分 00 秒
平均速度: 毎時 5.5 km
最小標高:  410m
最大標高:  1087m
累積標高(登り):  724m
累積標高(下り):  603m


(2007/11/18 走行)


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