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2007年5月4日(金)


ゴールデンウィークも、ようやくまともに休めるようになってきた。

というのも、優秀な部下のおかげ。管理者がいなくても何とかなる。

となれば、車にあれこれ放り込んで前の晩から出発だ。サービスエリアで仮眠し、早朝戸倉温泉にやってきた。


3泊4日、カーサイ、車中泊キャンピングの始まりだ。このスタイルを知ってしまうともうやめられない。

ランドナーとMTB2台あれば、ほぼどんな道でも行くことができる。

予定は現地で決める。走るコースも、寝る場所もすべて現地で決める。これが醍醐味。


目の前を流れる千曲川。走り出せばいきなりこんな記念碑に出くわした。

”ボタンを押すと「千曲川」の曲が流れます”とありゃ、誰だって押すでしょう。


押したらなんと、大音響で五木ひろしの千曲川が流れ始めました〜

思わず歌っちゃいますね。結構いい音なのでビックリしました。

https://youtu.be/H3SN6iF5oZU (1分30秒の動画です)


歌碑「千曲川」に寄せて

四季折々の姿を映して流れる千曲川の辺に山口洋子先生第一書による 「千曲川」の歌碑が、町と観光協会のタイアップにより、関係各位のご協力をいただいて、ここに見事に建立されましたことは、文学碑が県下で一番多いといわれている当町にとって、まことに喜ばしいことであります。
「千曲川」の歌謡は、昭和五十年(一九七五) 山口洋子作詞、猪俣公章作曲、五木ひろし歌によって発表されましたところ、勿ち全国に広まり爆発的人気を博し、一世を風靡いたしました。
「千曲川」は、第十七回日本レコード大賞・最優秀歌唱賞に輝いたのを始め、第一回日本テレビ音楽祭・グランプリ、第四回東京音楽祭・ゴールデンカナリー賞、同音楽祭世界大会・TBS賞、第六回日本歌謡大賞・放送音楽賞、第八回日本有線大賞・有線功労賞など多くの賞を獲得いたしました。
現在はNHKの「信州名曲アルバム」に加えられ、叙情豊かなメロディーが家庭の茶の間に流れております。あたかも千曲川の流れが絶ることのないかのようにー。

平成四年五月二十四日しるす
上山田町長 山崎 尚夫



いきなり絶好調のスタートとなった。天気はいいし、五木ひろしに見送られて走り出す。

朝の千曲川沿いは最高だ。車も少なけりゃ、人の姿も見えない。


快晴の五月晴れ。そして穏やかに流れる千曲川。

こんな景色を見ていると、再び「千曲川」を口ずさんでしまう。


室賀峠への登りに入る。交通量は少ないが、登りの勾配は結構きつい。

高度を稼ぐには一番具合のいい勾配だ。いいペースで登っていくと大きく展望が広がってくる。

凄いものだ、自転車は。さっきまであんな下にいたのにもうここまで登って来た。


現在時刻10:24  高度765m   室賀峠まであと171mの表示だ。

上田市との境辺りが室賀峠だ。その先は緩く下り始める。


ここからなら大展望が望めるだろうと、鉄塔目指して登ってみる。

どれどれ、どんなもんだい・・・と期待したが何も見えず。お疲れさまでした・・・


周囲は万葉歌碑が置かれている「室賀峠史跡公園」になっている。

万葉歌碑を見ても私には理解不可能だったので、立派な標識で写真を撮って下り始める。


今日のコースは大小4つのピークを越える。最初のピークである室賀峠を越えて一旦180m下る。

2つ目のピークを越え、3つ目のピークの修那羅峠安宮神社までが今日一番辛い登りだ。


快晴、無風の中の長閑な峠への登りが再び始まる。

静かだ。車も通らず、聞こえてくるのは鳥のさえずりだけ。


2つ目のピークの手前に、「修那羅の泉」という湧き水があった。湧き出る泉は水量も豊富だ。

さっそく飲んでみると、冷たくて何とも言えぬ旨さだ。いやぁ、辛い登りの途中にこれはありがたい。


12:08 標高1016m ようやく2つ目のピークに到着。

昼食前なので食料が重く、そしてこの好天気なのでかなり暑くて大変な登りだった。

ここまで登ってくると、ようやく残雪の北アルプスの姿が木々の間から見えてきた。


一旦100mほど下って、再び登り返すと3つ目のピーク、修那羅山安宮神社 石神仏群が現れる。

いきなり俗世間からかけ離れたような別世界が広がる。

なんとも不思議な、これまで見たこともないような幻想な世界が広がる。


境内に鎮座する石神像、石仏及び木像が所狭しと並んでいる。一つ一つ、皆違った表情の石仏が並ぶ。

こんな所を自転車を押して歩いていいものかと心配になるが、今日は人の姿がまったく見えない。

あまりの幻想の光景に、しばし我を忘れて撮影に没頭する。


たっぷりと素晴らしい世界に染まり、神社の入口で昼食にする。

さっそく現れたのがこの子たち。ネコに始まり、わんぱく坊主の兄弟だ。


「な〜にこれ?」と言いながら、遠慮なしに大事な飲み物を飲みだす。

まあ人懐っこい猫と子供にすっかりこちらも魅了されてしまった。やっぱりここは何かが宿っている。


修那羅峠の石仏は強烈だった。これほど深く心に刻まれた峠は珍しい。

そして気持ちのいいダウンヒルが待っていた。


いい峠に出会い、素敵な世界を堪能し、ほのぼとした笑いに包まれた。

下った里には鯉のぼりの眺め。ゴールデンウィークに長野に来ると、必ず目にする光景だ。


冠着駅手前の踏切で、ちょうど特急しなのに出くわした。

さあ、あとは4つ目のピーク坂上トンネルを越えて車に戻ろう。


トンネルまで約200mの登り。

四十八曲峠へ至るこの道は、いきなり13%の勾配で始まる。

そのまま坂上トンネルを越えれば、あとはゴールの戸倉温泉まで豪快なダウンヒルが待っている。


ゴールデンウィーク初日、素晴らしい一日だった。

車に戻って日帰り温泉で汗を流し、夜はもちろん車中泊キャンプだ。


好きな場所で好きなように過ごす。BGMを流しながら、ネイチャーストーブの焚火を楽しむ。

いくらでも自由に過ごせる時間がたまらない。やっぱりやめられないな、このスタイルは。


 

距離: 47.9 km
所要時間: 7 時間 23 分 00 秒
平均速度: 毎時 6.4 km
最小標高: 375 m
最大標高: 1022 m
累積標高(登り): 1181 m
累積標高(下り): 1181 m

(2007/5/4 走行)


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