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2005年9月3日(金)

苫小牧 〜 北海道大学苫小牧演習林 〜 支笏湖 〜 苫小牧


昨夜は夜のドライブで苫小牧港まで走ってきた。ここまで来ていれば、今日のフェリー乗船も楽だ。

いよいよ長かった北海道ツーリングも最終日を迎えた。


最終日は最初から決めていた、北大演習林と支笏湖自転車道を行く。

近場の運動公園に車を置いて準備を整える。最終日はMTBで行く。

駐車した隣のおじさんと会話する。自転車で利尻・礼文を走ったことに驚いていた。


今日のコースはこれを参考にさせてもらった。

いつか北海道に来た際に、絶対に走ってみたいコースだった。1991年の古い本だが、今でも十分参考になる。


いよいよ「北海道大学苫小牧演習林」に入っていく。なぜか緊張する。

一人で深い森の中に入っていくというスリルに加え、もしかしたらクマに遭遇するのでは・・・と心配だ。


いきなり道幅の広い「林道」が現れる。実にきれいに整備され、車が走るのも十分な道幅だ。

深い森だが、特に暗さも怖さも感じない。しかし、いつクマが出てきてもおかしくない雰囲気は感じる。


標識もなく、目標物も見えず林道が奥へ奥へと続いていく。

まったく人の姿は確認できない。当然だろう。この道を行く人は限られている。


こんな掲示板があった。やっぱりクマが出るんだ。間違いない。

貴重な情報なので、しっかりビデオに収めてもしもの時のために備える。


クマというのはそう滅多に会えるものではない。北海道って言ったて、どこでもいるわけではない。

と自分を納得させながら走るが、やはりより一層周囲へ注意を払うようになる。


しばらく行くと大学の事務所か研究施設のような建物がいくつが現れた。

人がいればクマも近づかないだろうと嬉しくなったが、まったく人の気配はない。


逆にこういうところにクマが餌を求めてやってくることも考えられる。

この辺りにやたらと黄色い植物が目立つようになってきた。


きっと研究目的で育てているのかもしれないが、独特の形をしていて面白い。

名前もさっぱりわからなく残念だが、MTBの色とマッチしてなんとなく嬉しくなる。
(後で調べてみたら「オオハンゴンソウ」という植物らしい)


林道は砂が深くなって走りにくくなってきた。

すっかりクマ出没の緊張感も忘れ、林道を楽しんでいたら、なんと遠くから車の姿が見えた。


なんと一台のタクシーが結構なスピードで飛ばして走ってきた。

え? タクシー? と思って覗いてみると、後ろの席におばちゃんが乗車していた。

いったいどこへ行くのだろう? そしてここはタクシーも入ってくるんだ、と二重の驚きだった。


この林道最大の楽しみ、約8kmにも渡る直線道路に出た。

さすがにこんな長い直線の林道は初めてだ。走っても走っても景色が全く変わらない。


GPSがなければ、きっと頭がおかしくなってしまいそうな長い長い直線だった。

最後はこの直線道路は右に曲がるのだが、それが見えてきたときには正直ほっとするほどだった。


直線道路が終わると、「鳥柵舞(ウサクマイ)林道」と合流する。もう間もなく支笏湖だ。

とりあえずトラブルもなく無事に演習林を抜けたことになる。なんだかいくらか安心する。


支笏湖畔へ出ると、明るく穏やかな眺めが目の前に広がる。

林道をずっと一人で走ってくると、人の姿や人工物を目にすると安心する。


不思議なものだ。いつもは人のいない所をあえて好んで行くのに、ここだけは逆の感じになってしまった。

穏やかな支笏湖と美しい恵庭岳が絵になる。何も考えずにボーっと眺めているだけで癒される。


あとは苫小牧まで自転車道を下るだけとなった。

時刻はちょうどお昼だ。眺めのいい休憩所でビデオを鑑賞しながらゆっくりとくつろぐ。


支笏湖へ来るのも2回目だ。1977年の時は、湖畔で一人用のテントでキャンプしたっけ。

ひもじい夕食だったので、隣の人が肉を差し入れしてくれたのを覚えている。

思い出いっぱいの支笏湖。さあ最後は自転車道を下るのみ。


車道と並行して自転車道が苫小牧まで続いている。素敵な道を作ってくれたものだ。

一本道だから道に迷うこともなく、車に邪魔されず、安全・快適に走ることができる。

自転車道は走り始めは雑草が生えていたり、舗装が剥げていたりと荒れているところもある。


下っていくとさっそくレンタサイクルの観光客とすれ違った。

支笏湖まで往復すれば、ちょうどいいサイクリングコースだろう。


次第に自転車道は道幅も広くなり、綺麗な舗装に変わってきた。

ほぼ直線が続くこの下りは実に気持ちがいい。意識して止まらないと一気に下りきってしまいそうだ。


何組かの学生ともすれ違った。生活道路としてもこの自転車道は利用されているようだ。

いよいよ夏も終わり。道端のヒマワリを写真に収めて最後の下りを楽しむ。

本当に気持ちのいい自転車道だ。この道を往復してもきっと楽しいだろう。


無事に車に戻ってきた。そして北海道ツーリングもこれで終了だ。文句なしの素晴らしい毎日だった。

これで終わりじゃない。ラストはまた長距離フェリーの旅だ。

いったい、どこまで充実しているんだこのツーリングは。

距離: 49.9 km
所要時間: 0 時間 00分 00 秒
平均速度: 毎時 0.0 km
最小標高:  11m
最大標高:  281m
累積標高(登り):  399m
累積標高(下り):  399m

2005年9月3日(金) 18:30 〜 2005年9月4日(土)13:00 

苫小牧港 〜 大洗港


18:30 苫小牧港を出港する。翌日13:00 大洗港入港。

もう思い出がありすぎて記憶がおかしくなっている。何が何だかごちゃごちゃだ。

しばらくは心と体のリハビリが必要だ。


月曜日からの仕事、果たしてまともに働けるだろうか? あまりに充実しすぎた。

しかし見事なプランニングだった。もう、二度とこんなビッグツーリングは出来ないだろうな。

長距離カーフェリー、離島旅、カーサイキャンピング、車中泊、輪行・・・全てを出し尽くしたツーリングだった。


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