峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  高野山


高野山:高野山は、およそ1200年前に、弘法大師によって開かれた、真言密教の修行道場であり、全国に広がる高野山真言宗の総本山である。



昨夜は龍神温泉元湯で汗を流し、近くの駐車場で簡易キャンプとなった。
日高川の脇、流れる川の音をBGMに静かな夜を過ごした。

明けて翌日は、台風18号の接近で大荒れの天候だ。
護摩壇山周辺のツーリングを計画していたが今日一日はじっと台風の通過を見守るしかない。
とはいえ、ここでじっとしているわけにも行かず、一気に高野山まで移動することにした。

九州地方は完全に交通手段がマヒし、次第に風雨が激しくなってきた。

護摩壇山スカイタワーでは、強風のため車の外にも出れず、真っ白な視界を前に身動きが取れなかった。

高野山へ移動し、車を屋根下の駐車場に避難させる。 

 

 


この悪天候にもかかわらず、高野山は観光客で一杯だ。
高野山も端から端まで見ようとするとかなり距離がある。

自転車で移動するのがベストなのであるが、さすがにこの雨の中を組み立てて走る気が起こらない。

とりあえず、雨具を着込み奥の院へ歩き出す。

うっそうとした杉の樹の茂る中、さまざまな墓が現れる。
その数、いったいいくつあるのか見当もつかないほど物凄い。

弘法大師の元に眠れば極楽往生出来るとの信仰から、今も著名人をはじめ、有名な企業の墓が数多く並んでいる。

まさに聖域と呼べる山上の聖地だ。

 

 


バスツアーの団体にこっそり合流し、添乗員の説明を後ろから聞き取る。

ちゃんと見所を案内してくれるから、こういうところでは実にありがたい。

小雨の中、思い切って走り始めた。やはり移動には自転車しかない。
観光バスが移動すればこちらは自転車で移動し、しばらくは同じ行動をとらせてもらう。

おかげで、あますことなく、高野山の案内をしていただきました。

風雨は激しさを増し、いよいよ危険な状態に。
車に戻って、食堂に避難。たたきつける雨風、倒れそうな樹木に驚かされながら地図を広げ、さあ、どうすんべ、と悩む始末であった。

道路が危険な状況になり始め、山間部から海へ向け脱出を図った。 

 

 

 


台風直撃の中、高野山から海南市に逃げ出した。

車ならなんとかなると思っていたが、その激しい風雨の中、山間部の山道はこれまで経験したことのないほどの危険な状況になっていた。

今にも崩れてきそうな斜面、路面に散乱する樹木、川と化した道路、ワイパーが役に立たないほど強烈な雨。

台風で被害を受けた方のニュースをテレビで見ることがあるが、まさに今自分がその真っ只中にいて、さすがに身の危険を感じていた。

走り始めて30分もしたころ、唯一のルートがなんと通行止め。

もはやこれまでかとあきらめたが、大きく迂回するルートを導き出し、再び激しい山へ入っていく。 

 

 

 


この天気の中、峠越えのような道で、ここで動けなくなったらまず助からないだろうな、と本当に思った。

早く下界へ降りたい、人里へ、明かりのあるところへ行きたいという気持ちで一杯だった。
緊迫した時間が2時間以上も続き、気がつけば喉がカラカラだ。
それでも、安全な場所へ避難するまでは気を抜けなかった。

ようやく海南市に入り一安心。
風雨も収まり、ついさっき目にしてきた光景が嘘のようだった。

街中をウロウロ走り回るが、寝場所が無い。
最後は疲れ果てて、駅の夜間駐車場に仕方なく落ち着いた。

本日の温泉:入れず 寝場所:海南駅駐車場

 

 


(2004/9 走行)


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