峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2004 >  瀞峡・七色峡


七色峡: 和歌山県東牟婁郡北山村。北山村は和歌山県の東端にあり、熊野川の支流北山川を境に南は三重県熊野市と紀和町に、北は奈良県下北山村、西は十津川と接している。また、まわりが他県で和歌山県の飛地という特異な存在となっている。七色ダムからの約2kmの下流が七色峡といわれ、両岸にそびえたつ岩石に、5月頃からイワツツジやイワチドリが美しく咲き乱れ、より一層優雅な風景をつくりだす。
瀞峡:北山川の渓谷、約31キロメートルにわたって両岸に原生林と絶壁が続く大自然のパノラマ。



前夜は、奥瀞にある「おくとろ公園」で過ごした。

ここの公園は広大な敷地に広がるアウトドアのフィールドで、筏下り、ラフティング、キャンプ、テニス、温泉施設が充実している。

夜のキャンプ場からは賑やかな歓声が響き、久しぶりにキャンプ場ってこうだったなあ、と昔を思い出していた。

早朝から、元気な若者たちがウェットスーツを身にまとい、出発のバスを待っている。

山の中で見るその姿は、かなり違和感があるが、これだけの男女が集まるというのは、よっぽどスリルがあって楽しいスポーツなのであろう。

 

 

 

 


今日は2つのコースを計画している。前半は七色峡から七色ダムを経ての周回。

後半は瀞峡へ移動し、瀞八丁付近のハイキングコースという欲張ったプランニングだ。

前半はランドナー、後半はMTBへ乗り換えるという、こちらも贅沢な装備だ。この2台があれば、まずどんなコースでも困ることはない。

何が起きるかわからないロングツーリングでは、どうしても一台だけでは不安で、悩んだ挙句2台を積み込んできた。

自転車2台にキャンプ道具一式で、荷物の量はかなり多い。

それでも、すべてを車内に納めて、なおかつ一人分の寝るスペースを確保している。
 

 

 

 


天気も回復し、まずは平坦な舗装路をのんびりと走り出す。

このあたりは「全国唯一の飛地の村」という表示が掲げられている。

飛地の正式な規定はよくわからないが、簡単に言うと、和歌山県から離れたところに、もうひとつの和歌山県があるということだ。(なんだかよくわからない人は地図を見てよく確認してください。)

七色峡付近は川の色がエメラルドグリーンへと変化してくる。

ほとんど流れのない川面は、入浴剤を入れたような綺麗な色だ。

稲刈りの時期で、道端には刈り取られた稲が稲架木に干されている。

まだまだ気温は高いが、季節は秋を迎えようとしているようだ。

 

 


七色ダムのトンネルを抜け少々下った先に、ダムの展望台がある。ほとんど無人地帯に等しい寂しい所である。

七色ダムは重力式とアーチ式の両方の特性を持つダムで、付近はブラックバスの有名なポイントであるらしい。

川の対岸を快適に下る。木立に囲まれた舗装路は気持ちよく、交通量ゼロの静かな山間を走り抜ける。

後半の予定を頭に描きながら、上瀞橋を渡りおくとろ公園へ戻ってきた。

昼食をとり、車を小川口から木津呂へと走らせる。


 

 

 


後半は、MTBに乗り換え、瀞八丁へのハイキングコースを経て蟻越峠を越えようなどと考えていた。

しかし、すでに時間もかなり遅くなり、まあ、途中まで行って引き返そうと変更。さっそくMTBを準備する。

リアホイールをセットして回転させると、なにやら異音が・・・

何かブレーキシューにあたっている。

なんだろうとよく見ると、なんとビックリ!

 タイヤのサイドが今にも破けそうではないか! タイヤサイドが膨らみ、それがブレーキシューにあたる程になっている。

いったいどこでこんなになったのだろう、と思い返すが記憶がない。昨日は特に異常は感じなかった。

 


これでは走行不可能と判断し、悩んでいてもしかたないので、再びランドナーの登場となった。

やはり2台持ってきて大正解であった。

気を取り直して走り出す。しかし、ランドナーではこの山道、まずお荷物になるばかり。

ここも歩きに変更か、と考えたが、せっかくの瀞峡を歩きだけで済ませたくない。

時間も限られていたが、行ける所まで行こうと急ぎだす。

しかし、人間あせっている時は判断を誤るもので、左のスタート地点の写真で、いきなり道を間違えた。

見るからに左の広い道を行きたくなるが、実は右側の登りを行かねばならなかった。
 

 

 


冷静に考えれば情けないほどの間違いであったが、MTBが今後使えないショック、車内を占領するだけのお荷物、そして時間に追われていて、早く走り出そうというあせりから、まったく登りの道が道に見えなかった。

荒れた道を進むとどんどん下り始めた。

川原へ降りる道だから当然である。

この先、登り返すだろうという期待もむなしく、もうあきらめの境地でとうとう川原まで降りてしまった。

他に分岐はないし、いったいどうなってるわけ? とひとりでブーブー言いながら進む。


 

 

 


広々とした石ころだらけの川原にさすがに自転車を持ち込むことはしなかったが、水辺に近づくと、ジェット船が近づいてきた。

満員の乗客は、なんでこんなところに人が立っているのだろうと不思議そうな面持ち。

それでも大きく手を振ってくれた。もし、傍らに自転車が置いてあったら、いったい何しているのだろうと思われたに違いない。

納得がいかず、戻ってみて初めて入口の間違いに気づきがっくり。

もはや時間も気力もなく、瀞峡ハイキングは夢となった。

欲張りすぎた計画が本日の敗因だった。反省。

本日の温泉:渡瀬温泉 寝場所:渡瀬緑の広場キャンプ場

 


 

(2004/9 走行)


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