峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2003 >  御霊櫃峠


福島県郡山市(標高876m) 磐越西線中山宿駅の南西7km
徳川時代には猪苗代湖南の舟津に代官所が設けられ、会津藩の廻米路として栄えた。峠近くには戊辰の戦いの跡が多くあり、保塁の跡が峠上に200mほど残っている。地名の由来は、昔、征伐された賊徒の怨霊がたたり、冷害凶作が続いたため、峠に御霊の宮の神霊を奉じたためとも、平安時代に失脚した貴族の霊を祀り、それが只野本社の祭神で五霊櫃といっしょになったともいわれている。峠近くにある御霊櫃石付近は小石を積み重ねた塚が霊場の様相をかもし出している。付近にはツツジ園があり、県立自然公園となっている。峠の西山腹に1771(明和8)年に安置されたといわれる延命地蔵がある。1965年に自動車道が開通した。



金曜日から三連休で、昼前に東京を離れ、4時に磐梯熱海の「郡山ユラックス熱海」に到着。

今日はここでのんびりと準備を整え、明日、明後日と峠越えを予定している。


まずは、ランドナーの掃除だ。前回の弘西林道・釣瓶落峠の汚れが激しく、何もかも泥だらけの状態だ。

やはりランドナーは美しくないといけない、という主義だから時間をかけて綺麗に磨き上げる。


ここ、「郡山ユラックス熱海」は温泉はもちろんのこと、温水プール、スポーツ施設、多目的ホールなどを備えたコミュニティ施設だ。

駐車場も広く、ここをベースにすれば周回コースをプランニングできる。

 


小1時間かけてランドナーを整え、次は明日の準備運動にと、温水プールでひと泳ぎだ。

都内のプールと違い貸切状態の贅沢に大満足。


気分爽快、体調万全で駐車場泊の態勢へ。

車内には生活道具が揃っているから何も不便なことは無い。


さあ、寝ようかと思っていたところ、懐中電灯をもった管理人がやってきた。

ひょっとしてダメかな、と予想していたからおとなしく退散。

行き場を失ってあたりをウロウロするが、近くのポンプ場脇でおやすみなさいとなった。
 


目が覚めると、雲ひとつ無い快晴が広がっている。

さっそく再び車を駐車場へ移動し自転車のセッティング。


紅葉はまだこのあたりまでは下りてきていないが、これから向かう峠付近はだいぶいい色になっているだろう。

ここから時計回りに峠を越え、猪苗代湖から中山峠経由で周回してくるプランだ。


これだけ天気もいいと、朝から気分もよく、今日一日のツーリングに胸が高鳴る。

この周辺には諏訪峠、三森峠などがあってどうプランニングしようかと頭を悩ませたのであるが、欲張って2つも3つも越えたのではハード過ぎるため、今回は御霊櫃峠をメインとしたコース取りとした。
 


安子島から南へ向かい逢瀬公園売店で缶ビールを仕入れる。

「今日は自転車は気持いいねえ」と売店のおばあちゃんの明るい笑顔。


やがて御霊櫃峠へ13kmという大きな道路標識が立つ分岐を右に折れる。

今年の冷夏は大きな社会問題になったほどで、その影響で農作物も不作、そして10月になってもまだ稲刈りをしている農家もあるほどだ。


このあたりの米の収穫はどうだったのだろうか。

そんな田畑の間をのんびり走りながら、やがて道も本格的な登りに入る。
 


路面は完全舗装で、綺麗になったランドナーで気持ちよく標高をかせぐ。

気温も上がり、すでにシャツ一枚の状態だ。


例によって、おつまみ豊富な峠越えのため、重量オーバーでたいした勾配ではないのだが、結構いい汗をかかせてもらう。

峠に立つ中継アンテナが小さく見えはじめ、まだまだずいぶんと登らなくてはならないとわかる。


次第に眼下に郡山方面の展望が開け始め、周囲の山もポツポツと赤や黄色の色づきが多くなってくる。

もう少し綺麗な紅葉を期待していたのだが、残念ながら若干早すぎたのかもしれない。

 


約600mを登りつめ、背中にたっぷりと汗をかいた頃峠に到着する。

峠には結構車が多く、ここから散策をに出かけているようだ。


峠の標は道路から外れた遊歩道の草むらの中に立っている。

白地の立て札にこの峠の名の由来と山ツツジ咲く峠の絵が記されている。


ここからは展望がないため、しかたなく右手の岩だらけの登山道を押し上げる。

展望の開けるあたりまで気合で頑張ると、そこからは郡山市街の大展望と、反対側に猪苗代湖が大きく視界に飛び込んでくる。
 


ハイカーがたまげた様子でこちらを見、「ここ走るんですか・・?」と驚きの様子。

さすがにここは冗談で応えるわけにいかず、「いや、眺めのいい所まで来ただけですよ」と真面目な答え。


それでも、この場所では自転車はあまりに説明不可能だ。

左右に広がる大展望を肴に、恒例のおでんタイムだ。


たっぷり汗をかいた後だけにビールのうまさが格別だ。

猪苗代湖への下りは道幅が狭いため結構危険だ。

最初の1キロぐらいは楽しめるが、すぐにゆるい下りとなって湖に出る。
 


湖畔をのんびりと行き、最後は中山峠越えだ。

ただし、この峠通行止めとなっており、車は入れない。


距離も短いので突破すると、峠のピークの先で、道が大きく陥没していた。

工事中の作業者に聞くと、どうもこの道は修復する予定はないとのことだ。

車に戻って温泉で今日の疲れを癒す。

晩飯は、近くの居酒屋「太鼓」でゆっくりさせてもらう。


まだ店を開けて間もないところに、見慣れぬ客が来たものだからママさんも少々驚きの様子。

しかし、話が弾むうちにすっかり意気投合してしまって、それから数時間自分ひとりで3人の美女?を囲んで楽しいひと時を過ごさせてもらいました。

その節は大変お世話になりました。また行きます。

 

 

距離: 56.3 km
所要時間: 7 時間 35 分 00 秒
平均速度: 毎時 7.4 km
最小標高: 268 m
最大標高: 913 m
累積標高(登り): 825 m
累積標高(下り): 825 m

(2003/10/18 走行)


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