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長野県下高井郡野沢温泉村(標高1014m)



早朝、北竜湖へ車を走らせた。

まだ、誰もいないかと思っていたら、大きな三脚や大型カメラを抱えたカメラマンが大勢場所取りをしている。


朝もやのたちこめる北竜湖は神秘的で、鏡のように映し出す湖面は、驚くほど美しい。

こんな美しい湖面を見たのは初めてだ。風もなく、静寂の世界の中、シャッター音だけが響く。
 


野沢温泉村を抜け、燈籠木峠直下まで車で登る。前日まで雪に悩まされ、行くとこすべてが雪に閉ざされていた。

この峠もひょっとして越えられないのでは、と心配していた。

そのため、ある程度の下見を兼ねて車で登ってきた。
 

道路脇に車を止め、ランドナーを組み立てる。

下から登ってくるべきだが、この季節、この地方はまともに走っていると思わぬ障害に出くわしてしまう。

できるだけ安全策をとるために、仕方なく車を途中まで使わせてもらう。


走り始めてすぐに眼下に野沢温泉の村が見え始める。

雲ひとつない快晴に恵まれたこの日、目の前に迫る関田山脈をはじめ、遠く妙高、黒姫、そして北アルプスまでがよく見える。
 


誰もいない、静かな峠道を気持ちよく登っていく。

次々と絶景が現れ、コーナーを曲がるごとに写真を撮るほどだ。


とにかく気分がいい。

ショートコースなので、時間はふんだんにあるし、この青空、この気候、そしてこのパノラマと揃ってしまっては、もう何も言うことがない。

綺麗な舗装路をゆっくりと登っていく。燈籠木峠へはほどなく到着する。
 


車でかなり上まで来てしまったから、少々走り応えがないのが残念だが、その分ゆっくり楽しむことができる。

峠には見事な標柱が建っており、そこには野沢温泉小唄の歌碑が刻まれている。

峠からは、車のデポ地に向かって林道が下っているが、まだ時間も早いということで、その先の上ノ平高原へ足を伸ばしてみる。
 


ここからはかなりきつい登りが待っている。

とてもじゃないが乗れるような勾配ではないため、さっさとあきらめ、のんびりと歩き出す。


飛び出た先はスキーのリフトが何本も走る、一面広々とした大展望の高原地帯だ。

あまりに展望がいいので、もうすぐにでもひっくり返って、寝ころびたくなる。


登れば登るほど確実に展望が開けてくるので、さてどこでやめようかと悩む始末。

せっかくだから納得行く場所まで登ってやろうと、ひたすら歩き続ける。


ようやく落ち着いた場所で、さっそく草地にひっくり返り、大展望を正面に見ながら最高のランチタイムを堪能する。

雪で越えられなかった峠はあのあたりか、関田峠は、平丸峠は、富倉峠は・・・20万図を片手に大展望の景色を思う存分楽しんだ。
 

 


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