峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’2000 > 浅間尾根


東京都檜原村
奥多摩の主稜線から風張峠でわかれ、東西にゆるやかな上下をくりかえすのが浅間尾根である。浅間という名称は富士山の見られる所につけられており、この尾根からも時々、富士山が遠望できる。この尾根につけられた道は以前は南北両秋川沿いに住む人々が本宿・五日市に通う大切な生活道であった。また、甲州中道とよばれ江戸と甲州を結ぶ要路となっていた。


風もなく、穏やかな週末を迎えた。

早朝に都心を離れ、奥多摩へと車を走らせる。


五日市の先、払沢の滝に車をデポする。手ごろなフィールドであろうか、ハイカーの姿も多い。

今日も荷物満載で走り始める。


寒い冬は、無理をせず、ランチタイムは鍋でもつつこうというのが一番だ。

時坂峠への道は車道から離れ、ハイキングコースを行く。

歩きなら何でもない勾配だが、走り始めはとにかく荷物が重くて仕方がない。

すぐに額から汗が流れるほどに体が暖まってきた。


静かな山道を気持ち良く押していく。

峠直前は、少々苦しいが担ぎ上げると稜線に出る。

峠には小さな祠が奉られている。 峠からは快適に走ることができる。

立派な林道がこの先の茶店まで続いている。

茶店でさっそく缶ビール休憩。北面に広がる山並みが実に気持ちいい。

ここからは、サンシャインビルや都庁が見えると書いてあるが、残念ながら肉眼では見れなかった。


水を補給した後、いよいよ道は山道となる。ここから先はほとんど乗車不可能だ。

岩が現れ、勾配もきつくなってくる。

心臓の鼓動が聞こえるぐらい息が乱れてくる。辛い押しの繰り返しが続く。
 

やがて雪が現れ始めた。予想していなかったので少々驚く。

たいした積雪ではないが、ハイカーの踏み跡が凍結しており、思わぬ所で足を滑らせたりする。

まあ、乗って下るには恐いが、押す分には楽しいものだ。

時折ハイカーとすれ違うが、自転車への理解が深いのか、迷惑そうな顔もせず挨拶を交わしてくれる。

しばらく雪の山道と戯れながら進むと展望の良い浅間高原にでる。

ここには休憩所があり、すでに何組かのグループがにぎやかにくつろいでいる。


静かに鍋を楽しみたいので、少々離れたところでやり始める。今日のメニューはもつ鍋。

ぐつぐつと煮えたもつに冷たいビールがうまい。ネイチャーストーブにガスストーブで足元はポカポカ。
 

2時間も飲んで食べて休んで、周りには誰もいなくなった。

すっかり上機嫌になって下りに入る。


北面は雪が残っているが、南面は適度な下りが楽しめる。ただし無理は禁物だ。

危険を感じたらすぐに降りたほうが賢明だ。

人里へ降りてきたら後は車までしばらく舗装路を飛ばすことになる。

 

 

 

(2000/2 走行)


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