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大里峠:新潟県岩船郡関川村/山形県西置賜郡小国町(標高487m) 米坂線越後片貝駅の南東5km
江戸時代、米沢街道の主要峠の一つ。1521(大永1)年に開削されたと伝えられる。峠に大里大明神の木造の祠がある。蛇の肉を食べて大蛇になった女や盲法師の大蛇退治の伝説がある。



越後片貝の駅に車を置き、駅前の店で食料を物色するが、何もなく飴だけを仕入れる。

片貝トンネルを抜けるとすぐに榎峠の入り口が現れる。

国道からいきなり草むらの中を担いで山道に入る。車の騒音もすぐに小さくなる。

すぐに道は広く緩くなってくる。30分程の押しで峠に出る。

峠には案内板が建っている。

周囲は木々に覆われ視界はほとんどないが、心地よい風が吹き抜ける。

下りは下草が多く路面が見えない。そしてくもの巣が多い。乗車率はランドナーでは低い。

無名戦士の墓を過ぎ、田んぼのあぜ道を抜けると人里に出る。

若ぶな高原スキー場方面へ向かうと、大里峠の案内が現れる。

後は案内に従っていけば迷うことはない。

道はかなり整備されていて、かなり奥まで車で入っていける。

舗装が切れてからも幅のある林道が続く。このあたり雰囲気のある素晴らしい林道だ。

銅山跡からはいよいよ山道になるが、押しがほとんどで担ぐことはない。

誰の気配も、動物の気配もない。

このあたり熊がでると聞いているから、その静けさが不気味だ。


鉄塔の下で昼にする。すると何やら物音が。

一瞬緊張すると、地元のおじさんが下から峠を目指して登ってきた。

こちらの存在に対してたいして驚かず早足で通りすぎてしまった。

一体どこへ、何しにいくのだろう。

峠は広々としており、地蔵堂がある。中には綺麗な服を着せられたお地蔵様が奉られている。

この峠道、かなり地元の人の整備が行き届いているようで、案内板もしっかりしており、今でも生活の一部として使われていることがうかがえる。


下りはMTBならまだしも、ランドナーでは乗車率は50%ぐらいだ。

下草に隠れた岩、倒木。無理をするとまず転倒する。

最近は無茶を控えているから弱気で押していく。

九十九折れ、開けない展望、何が出るんだろうという恐怖。濡れ草で靴はぐちゃぐちゃ、丸太越えを何度もこなしようやく玉砂利の林道に出る。ようやく心も明るくなる。

玉川村の小学校でブランコにすわり、小学生の遊ぶ姿を眺めながら一服。のどかな風景だ。

帰りは一駅であるが越後金丸から輪行し、短いローカル線のひとときを楽しんだ。

 

 

所要時間:6時間15分 走行距離:24.56km 最高速度:44km
 


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