峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1999 >  内浦釜谷林道(粟島)


普通林道内浦釜谷線は昭和54年に着工し、平成8年まで18年の歳月をかけ内浦集落から釜谷集落を結び、周辺の森林資源の開発と有効利用を目的に開発されたもので、延長4.5km総事業費7億円を投じ完成した。



離島へ渡るのが好きだ。

島は閉ざされた世界だが、そこには島独特の景色、文化がある。

船を使って、時間をわざわざかけて訪れる、その贅沢さが魅力だ。

何もかも瞬時に過ぎてしまう世の中で、船のゆったりとした時間がたまらない。

岩船港から粟島へ渡る。
夏のピークを過ぎているが、船は釣り客で一杯だ。

高速船で50分。自転車で島を巡ろうというのは他に誰もいない。海岸線を右周りで一周する。約20キロのポタリングコースだ。



舗装された林道が海岸線沿いに続く。

船から見えたその林道は、天にも上るような勾配であったが、いざその登りにさしかかるとそれは内陸では考えられないような道であった。

島内は車両の持ち込みができず、唯一地元の車が通りすぎるが、それでもローギヤで唸っている。

レンタサイクルで一周なんてパンフレットに書いてあるが、まともに走れる勾配ではない。ダウンヒルは、まさに海へ飛び込むジェットコースターを思わせる。

予定では、釜谷でキャンプし夕日を眺めようと考えていた。

 


しかし、あいにく朝から天候がすぐれず、日帰りの離島の旅となった。

のんびり島を周回して再び港に戻る。名物「わっぱめし」を味わい島を後にする。

出港の時のドラマがたまらない。島が内陸から遠いほど情熱的だ。こうした場面は数々の思い出があるが、何度目にしても感動的だ。

島を離れると天気が急回復してきた。島で見るはずだった夕日を瀬波温泉で味う。

露天風呂で汗を流した後、一人高台に陣取り、待ちに待ったシーンを迎える。BGMを聞きながら、酒を片手にただただ、日没のドラマを眺める。

美しい。そして見事だ。何も言葉が出ない。

ロングツーリングを締めくくる最高の一日になった。
 

所要時間:3時間17分 走行距離:20.97km 最高速度:43km


 


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