峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1998 >  座間峠



群馬県桐生市/勢多郡東村(標高960m)



今日のねぐらを求めて桐生ダムに着く頃、突然のスコールに見舞われた。

しかし、すぐに雨も上がりダムサイト脇に静かな空間を見つける。

椅子、テーブルを用意し炭に火を付ける。ランタンの明かりの元で夕食を楽しむ。
 


翌朝は8時に走り出す。今日は座間峠を越え、三境林道経由で周回してくる予定だ。

早朝の中、鍋足に向けてヒルクライム。天気は曇りだが気温、湿度ともかなり高い。


すぐに額に汗が浮いてくる。

内容的にはMTBのほうが適していると思うが、こうした峠にはランドナーの方が良く似合う。
 


暑い。本当に暑い。ボトルの水が減っていく。ただ、このコース水場は豊富だから安心だ。

鍋足からきつくなり、林道のゲートを越える。 峠への入り口はそこからじきに現れる。
 


丸太橋を渡って山道に入る。ルートははっきりしており不安はない。

訪れる人が多いのか、きれいな小道が北へ向かって続く。


沢を渡る個所が何度も現れるが、水量と苔が多く意外と神経を使う。

きれいで、静かな所だ。そして沢の奏でる音がいい。沢で汗をぬぐえば、その冷たさに生き返る。
 


フロントの重いランドナーでは押し上げるのに苦労するが、この暑さの中リュックがないのが助かる。

ビールもぬるくなり始めたことだし、軽量化のために少々開けた所でつまみだす。


明るい緑の中に、ネイチャーストーブの白い煙が立ち込める。

静かなひとときだ。そして素晴らしい空間だ。
 


標高は高くないが山深さを味わえる。そして峠越えの満足感を味わえる。

汗もひき、1時間ほどで切り上げる。

そこから峠まではわずかだった。峠はかなり明るく、そして開けている。
 

 
かなり人の手が入っている様子で、伐採も行われている。

それまでの雰囲気が良かっただけに少々残念な気がする。
 


下りはMTBのフルコースだ。きれいなシングルトラックが走っている。

ランドナーでも何とかなるがやはりポジション的に辛い。

所々降りざるをえないが、それでも山道下りを楽しめる。
 

 
タイトなコーナーが連続で現われ、テクニックがあればかなり乗車率は高い。

無理は禁物だが、基本的な事を守ればかなり楽しめる下りだ。

下るにつれ草木湖が大きく姿を現す。
 


下りの緊張感を和らげてくれる一瞬だ。

その後は深いヤブ、石ころだらけの道と荒れてくる。

そして最後は安定したダートへと変化し、峠越えを終える。
 


舗装路の熱風の中、草木湖に沿って走る。

三境林道の分岐へ入る。いきなり急坂が待ち受ける。


座間峠でかなり体力を消耗している上に、この猛暑の中の登りは過酷であった。

しばらくは、日陰を探しながらの歩きとなった。その後は勾配も緩くなってくる。
 

 
途中、野生の猿の集団が行く手を阻む。

車の人はいいが、こちらは無防備だから刺激しないように通り過ぎる。 緊張の一瞬だった。


トンネルを越えると、最高のダウンヒルが待っている。車のデポ地までかなり楽しめる。

その勾配、コーナー、路面、道幅、どれをとっても高い得点を与えられる下りだ。


これほど下りに没頭できる所もそう多くない。見事な林道だ。

ここだけはブレーキのよく効く細身のタイヤで走るべきだ。

車に戻ると8時間以上が過ぎていた。内容の濃い魅力たっぷりのコースだった。
 

 

所要時間:8時間19分 走行距離:44.1km 最高速度:53km


峠への招待 > ツーリングフォトガイド >  ’1998 >  座間峠

inserted by FC2 system