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(ひろかわらさかさがわせん)



今回は、以下の2冊を参考にさせてもらった。

最近はMTBの出番が多く、自然と山岳サイクリング風のコースばかりが多くなっている。


確かにMTBの走破性の高さに取りつかれると、ガンガン山道を走りたくなる。

今回も、そんなつもりでこのコースを選んでみた。

ニューサイクリング No.294
1989年1月号
 
ニューパスハンティング
林道広河原逆川線
 
秘蔵版MTBツーリングブック
 
蕨山から金比羅山
 

1998年7月20日(月)


真夏の休日、MTB2台で「さわらびの湯」までカーサイでやってきた。

秘蔵版MTBツーリングブックのコースを読むと、意外と簡単に周回できそうな感じで書かれている。

本には、中級コース、距離18km、標高差700m、所要時間3時間と書かれている。


まあ、ゆっくりスタートしても、この季節なら日も長いし余裕で周回できると予想していた。

詳細な地図は持たず、コースガイドのコピーを持ってスタートする。

今回初登場の「モンベル サドルバッグ」をテストしてみる。(詳しくは旅の小道具 参照)


すでに11時近くになろうとしている。

温泉の駐車場から有間ダムまでは、いきなり強烈な登りに見舞われる。

準備運動も出来ていない段階から、ダムサイト特有の、尋常ではない坂にいきなりKOパンチだ。


平らになったダムの右岸を気持ちよく行くと、いきなり通行止めのバリケードが出現。

かなり気合の入ったバリケードで、通過するのに一苦労する。

結局、なんで通行止めにしているのかよくわからなかった。


落合の分岐で一休み。ここは観光の釣り場のようで、たくさんの車が駐車している。

すでに汗だくで、シャツを一枚脱いで登りに備える。

リュックを背負っているので、背中も汗で濡れている。


ここからは厳しい登りが始った。

よくよくプロフィールマップを見てみると、6kmで600m登っている。

なんと平均勾配10%!! なかなかお目にかかれない強烈な登りだ。


MTBツーリングブックの文章からは、まったくこの登りの厳しさは読み取れない。

ろくに地図も見ず、真面目にプランニングしてこなかったから、この想定外の厳しい坂に驚くばかり。


そして、とにかく暑くて参った。

走っていても汗が流れ落ち、止まると汗が吹き出て、大きなタオルを手放せない。


ワイドなギヤ比で普通はこんな坂乗っていけるのだが、ひどすぎてついに歩くことに。

コピーの地図を見て、高度計で標高を調べ、だいたいこのあたりかな? なんて予想して登り続ける。


気が付くとずいぶんと登ってきて、眼下に出発地点の有間ダムがよく見えるようになった。

もうそろそろ蕨山への分岐地点、逆川乗越じゃないの? なんて思い続けていたら完全にミスった・・・


暑くて、疲れて、むきになって登るものだから注意力も散漫になってくる。

いい眺めで、双眼鏡で展望を楽しんでいるけれど、右カーブの先は下り始めている。

ようやく行き過ぎたことに気が付いた。(何の標識もなく、後になってここが”有間峠”とわかった)


とっくの昔に分岐地点を通りすぎ、なんと100m以上も余計に登ってしまっていた。

地図も持たず、適当にイメージだけで登っていたのでこんなミスを犯してしまった。


MTBツーリングブックにはちゃんとこう書いてあった。

「・・・これが逆川乗越への分岐で、とくに目印になる物がないので注意しよう。」 と。


急いで逆川乗越の分岐まで戻る。よく周囲を見れば、確かに本に書いてある通りの分岐がある。

その先には、ちゃんと紹介されていた立派な休憩所があった。


すっかり時間をロスしてしまった。そして空腹だ。

暑くて・・・疲れて・・・精神的ダメージを浴びて・・・予定が狂って・・・戦意喪失だ。

こりゃ
蕨山から金比羅山は無理だな・・・と諦める。


ここでのんびりくつろいで、このまま下ってゆっくり温泉で汗を流しましょう・・・に決定!

そうと決まれば元気百倍。持ってきた食材をすべて食べつくし、ネイチャーストーブで遊びだす。


重たかった食料がすっかり軽くなった。

長時間の休憩で疲労も回復し、今度は寒くなってきた。雨具を着てダウンヒルに備える。

この小屋の脇の道が蕨山への道だ。”うーん、行きたかったが、もう無理。残念”


さあ、あとは来た道を戻るのみ。

ツーリングで一番面白くないのが、来た道をそのまま戻ること。

別ルートで戻れればいいが、今日ばかりは地図もないのでそのまま戻るしかない。


こうなりゃ開き直ってダウンヒルを満喫するしかない。

MTBで舗装路を下るとランドナーとはかなり感覚が違う。

ハンドルのポジションが高いが、ブレーキがよく効くのでカーブへの進入速度もランドナーより速い。


強烈な登りだっただけに、下りも強烈だ。

へたくそなライディングでは、この下りは怖いだけだろう。

度胸とテクニックがなければこのダウンヒルは楽しめない。


あんなに苦労した登りも、あっという間に下りきってしまった。楽しいことは一瞬だ。

さっそくさわらびの湯に浸かり、ゆっくりと汗を流す。

そのまま下ってきたので、たっぷり時間もある。


そのあとは、食事処でたっぷり反省会して終了となった。

暑い中、本当によく登り、そして思いっきり下った一日だった。

やっぱりプランニングは大切だと、つくづく感じたツーリングだった。


 
距離: 27.6 km
所要時間: 5 時間 00 分 00 秒
平均速度: 毎時 5.5 km
最小標高: 250 m
最大標高: 1137 m
累積標高(登り): 1030 m
累積標高(下り): 1030 m

(1998/7/20 走行)


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